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2025/05/12

 週明けの市場は日経平均が3日続伸。終値は前日比140円高の3万7644円だった。米中がスイスで開いた関税に関する閣僚級協議で進展があったことが好感され開始から200円を超える上げとなった。買い一巡後は3万8000円の大台を意識した売りなどで伸び悩む状態。それでもこの高値圏で値を保つこと自体が需給の良さを物語っている。3月決算の内容はトランプ関税の影響が読み切れず織り込みが難しいが、各企業ともにそれほど悪い予想ではなく安心感が漂っている。

 前週末の米国市場は米中貿易協議前のポジション調整売りが出てダウ平均は3日ぶりに反落した。このところの米国株は米中貿易交渉や英国との協定締結など前向きな材料を得て1カ月ぶりの高値まで戻っていた。過熱感や週末ということもあってこの日は見送り姿勢が強く小口売りに押されてしまった。もっとも売り物は出尽くしており下値は堅いまま。ハイテク株の多いナスダック指数は小幅ながらも3日続伸している。

 さて、東京市場はトランプ関税に対する過度な懸念が大きく薄れ日経平均が3月高値にじわりと接近する展開となっている。さすがに短期的な過熱感から買い方も慎重にはなってくるが、売り物が出尽くしており下値を積極的に売る主体もほとんど見当たらない。4月は米国から逃避した資金が大量に日本株・債券を買い越したようで、この点も需給的な安定感を呼んでいるようだ。