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2025/05/29

 29日の市場は日経平均が大幅反発。終値は前日比718円高の3万8432円で2月21日以来の水準まで回復してきた。前日の米国株は主要指数が下落したものの、引け後に発表されたAI半導体大手エヌビディアの決算が事前予想を上回ったことが好感されて大きく買いが先行する展開となった。取引時間中も米国際貿易裁判所がトランプ関税を違法と判断したことや、1ドル=146円台に一時入った円安などを材料に上値を着々と伸ばして取引を終えている。

 昨日の米国市場はエヌビディアの決算発表を控えた持ち高調整売りでダウ平均は反落した。同社の決算では輸出規制による中国向けAI半導体の影響に関心が集まっているが、基本的に悪化はないだろうとの見方で一致している。また、FOMC議事要旨は利下げに慎重な姿勢が改めて示されたものの、市場が特に材料視する動きは見られなかった。この辺りは耐性がついてきており長期金利の上昇もある程度抑制されている。

 さて、東京市場はエヌビディアの好決算とトランプ関税の違法判断が材料となって大幅高へ。トピックスは今年3月の年初来高値にあとわずかという水準に迫っている。トランプ関税違法に関しては政権が控訴し最終的には最高裁まで争うことになるが、最高裁はトランプ派が多数を占めており政権側が負けることはない。しかし、市場は関税後退としてしばらくは買い材料視するだろう。