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2021/11/09

 9日の市場は日経平均が3日続落。終値は前日比221円安の2万9285円だった。前日の米国株が上昇した流れを受けて序盤は240円高と戻りを試したが、買い一巡後は材料が続かず様子見気分が広がってしまった。時間外取引の米株先物安や1ドル=112円台まで入った円高も重しとなり後場からマイナス圏へ突入。2万9500円を割り込んでかえって下げに勢いがついてしまった。米株高以外に材料がないことが上値3万円を遠くさせている。

 昨日の米国市場は米インフラ法案の可決を好感してダウ平均は続伸。連日で史上最高値を更新した。米下院で110兆円規模のインフラ投資法案が可決され建機、鉄鋼、素材、EV関連株が上昇。前週末の雇用統計の結果を買う動きも続き幅広い銘柄に買いが入った。一方、長期金利は低位で安定しており主力ハイテク株にも買いが継続。ナスダック指数は19年12月以来の11連騰を記録するなど、この日も主要3指数揃って最高値を更新している。

 さて、東京市場は連日の米株高にもしっかり反応できず本日も上値の重さが意識される展開に。衆院選の終了、国内の決算発表ほぼ一巡と、目先的には日経平均が3万円を捉えるインセンティブが乏しくなっている。企業業績が良好で日経平均のPER13.5倍という割安感から2万9000円台は維持しようが、米国のように高値更新となるにはやはり新政権による政策が必要となりそうだ。