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2021/11/10

 10日の市場は日経平均が4日続落。終値は前日比178円安の2万9106円だった。前日の米株安を受けて序盤から売りが先行。売り一巡となった後は一時プラス圏に顔を出す場面があったが、時間外取引の米株先物安や中国株の下落が影響して、後場には再度下値を広げる弱い展開となってしまった。衆院選の与党の公約で18歳以下の子供に10万円を支給する政策が決まったが、理念なきバラまきとして市場から評価されることはなかった。

 昨日の米国市場は目先の好材料一巡から手じまい売りが出てダウ平均は3日ぶりに反落した。インフレ懸念の後退、主要企業の相次ぐ7−9月好決算、110兆円のインフラ投資法案可決など今月は好材料が続いていたが、この日は久々の材料不在とあって売りが優勢となった。もともと連日で主要指数が最高値を更新してきただけに過熱感も意識されている。米長期金利がこの日は一段と低下し、利ザヤ縮小懸念から大手金融株が下落したことも影響したようだ。

 さて、東京市場は本日も弱めの推移となり日経平均が2万9000円の心理的な節目に一時接近するような下げとなった。第二次岸田政権発足に伴い子供や生活困窮者向け支援が決まったが、内容はバラまきで経済への波及効果はゼロに等しい。株価下落にはそうした政府への失望感が混じっているようにも感じられた。4日続落したので明日はそろそろ反発しそうだが上値の重さは相変わらずだろう。