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2021/11/11

 11日の市場は日経平均が5日ぶりに反発。終値は前日比171円高の2万9277円だった。前日の米国株はインフレ懸念から続落したが、日経平均が連れ安したのは開始15分程度で、下値2万9000円辺りの堅さを確認した後は買い戻されプラス圏に浮上し上げ幅を広げていった。直近4日間で700円弱の下げを演じていたため値頃感も働いたようだ。中国不動産大手の利払い問題が目先クリアされ、中国株が上昇したことも後押し要因となっている。

 昨日の米国市場はインフレ懸念が再び強まりダウ平均は続落した。この日発表された10月の消費者物価指数が1990年以来の上昇率(6.2%)となりインフレの根強さが判明。物価上昇が弱まるとの最近のFRBの見解と異なりエネルギーを中心に経済を圧迫する懸念が再び強まった。長期金利は敏感に反応して上昇転換。高PER銘柄の多いナスダック指数が1.7%近い下げとなっている。他の主要指数も最高値圏にあり軒並み目先筋の利食い売りに押されてしまった。

 さて、東京市場は日経平均がようやく反発したものの、直近の下げの割に戻りは控えめで、買い方、売り方ともに煮え切らない状態となっている。チャート的には下値に25日移動平均線(2万8939円)が接近中で当面の相場をサポート。一方で上値は心理的な節目2万9500円辺りが最初のカベとなって、狭いレンジ形成を促す格好となっている。目先は方向性を出しにくい相場が続きそうだ。