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2022/01/11

 連休明けの市場は日経平均が3日続落。終値は前週末比256円安の2万8222円で、先月20日以来、約3週間ぶりの安値となった。米国株の下げや米金利上昇観測などから売りが先行。国内で新型コロナの新規感染者数が急増していることも圧迫要因となって一時は400円近い下げ幅まで示現した。下値が2万8000円を割り込まなかったことでその後はやや下げ渋ったが、市場全体に底打ち感はなく、米インフレと新型コロナの状況を織り込む軟調な展開が続きそうだ。

 昨日の米国市場はFRBが金融引き締めを前倒しするとの観測がにわかに広がりダウ平均は4日続落した。米大手証券が今年の利上げ回数予想を4回へと上方修正したことが響き、ダウ平均は午前中に一時600ドル近く下げる場面があった。もともと市場には利上げ前倒し観測が強かっただけに敏感に反応した格好だ。一方、長期金利がさほど上がらなかったことからハイテク株に買いが入りナスダック指数は5日ぶりに小反発している。

 さて、東京市場は週が明けても新型コロナと米インフレ懸念を警戒する動きが続き、日経平均は一時2万8000円近くの下値を試すまでの展開となっている。買い材料が米株高しかない状況では仕方ないものの、チャートの形では再び上値2万9000円がカベとなるボックス圏に戻ってしまった格好だ。1月相場は国内に買い材料がないため外部環境に振り回される展開が続きそう。今週の主なスケジュールは11日(火)米FRB議長議会証言、12日(水)12月景気ウォッチャー調査、中国12月消費者物価指数、14日(金)米12月小売売上高など。