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2022/03/09

 9日の市場は日経平均が4日続落。終値は前日比73円安の2万4717円で、連日で昨年来安値を更新した。日経平均は直前までの3日間で1800円近くも下げていたため、リバウンド狙いの買いで取引終盤まではプラス圏を維持していた。しかし、ウクライナ情勢や景気への不安は根強く、また、原油高騰は止まる気配がないため、中長期に渡って日本や世界の景気を圧迫するとの見方が強まっている。買い材料不在で岸田政権には小手先ではなく抜本的な対策が求められている。

 昨日の米国市場はロシアへの追加制裁に伴う原油高を警戒してダウ平均は4日続落した。株価水準は昨年3月以来1年ぶりの低さ。米大統領がこの日ロシアからの石油、天然ガスの禁輸を発表。エネルギー需給のひっ迫から米景気が落ち込むとの不安が売りを誘っている。WTI原油先物が一時1バレル=130ドル近くまで急伸しており市場を引き続き揺さぶっている。ダウ平均は昨日の急落の反動で一時600ドル近くも上昇したが、上値の重さは今のところ否定できない。

 さて、東京市場は引き続き不安定な状態のなか、本日は短期的な下げ過ぎの反動でプラス圏で推移する時間が長かった。しかし、ウクライナ情勢はこれから一段と悪化する見通しで、原油相場の先行きも見えない状況から市場の底打ちはもう少し先になるとの見方は多い。買い手の乏しい相場であり、迂闊に押し目買いなど入れられない3月相場となりそうだ。