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2022/07/08

 8日の市場は日経平均が小幅続伸。終値は前日比26円高の2万6517円だった。前日の米株高を受けて買い先行の展開。その後も中国の新たな景気対策への期待などで11時頃には390円高まで買い進まれた。しかし、昼休み中に安倍元首相銃撃の報が流れると一気に上げ幅を縮小。突然の出来事にポジションを手じまう動きが強まった。ETFの配当金捻出に絡む換金売りも一部で指摘され、日経平均はこの日のほぼ安値圏で取引を終えている。

 昨日の米国市場は過度な利上げへの警戒感が薄れダウ平均は大幅続伸した。FRBによる7月の利上げ(0.5%〜0.75%)がある程度織り込まれ目先筋の売り物も出尽くしたことから、落とし過ぎていたポジションを戻す動きが活発化。中国が巨額のインフラ投資の景気対策を行うとの観測も後押ししている。注目の8日の雇用統計は雇用者数が増えても景気への安心感、減っても雇用コストの低下と市場にはプラスに働く予想。来週もある程度の戻りを試すことになりそうだ。

 さて、東京市場はきのうと今日の前場までは調子良く回復基調を描いていたが、本日中頃の安倍元首相銃撃事件を受けて急速に勢いが萎んでしまった。日本でこのような事件はあまりなく、市場も消化に難のあるところを見せている。一部ではアベノミクス転換という見方もあったが、円相場が比較的落ち着いていることから影響は限られよう。来週は参院選明けで落ち着いた相場展開が予想される。