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2021/10/12

 12日の市場は日経平均が4日ぶりに反落。終値は前日比267円安の2万8230円だった。前日の米株安を受けて反落のスタートに。原油価格の上昇など資源・エネルギーの需給ひっ迫が警戒される域に入ってきており、企業や家計にダメージを与えることが懸念されている。円相場が1ドル=113円台半ばへ下落。2年10カ月ぶり安値も円安が輸入物価の上昇を招くとこちらも警戒されつつある。当面はインフレが市場の一番のテーマとなってこよう。

 昨日の米国市場は原油先物(WTI)の上昇を嫌気してダウ平均は続落した。11日の市場でWTIが約7年ぶりに一時82ドル台まで急上昇。他の商品相場も上昇しておりインフレが加速することへの警戒感が働いた。序盤は商品市況高に強いセクターの上昇でダウ平均は200ドル高まで買い進まれる場面があったが、インフレと景気鈍化が同居するスタグフレーションを懸念する声が広がりマイナスに転じてしまった。過度なインフレは景気にも株価にも重荷となるものである。

 さて、東京市場は米原油、米長期金利の上昇を主としたインフレ懸念の強まりから日経平均が反落する1日となった。原油の需給ひっ迫は早々に収まる状況になく、当面は一番の景気圧迫要因となりつつある。日経平均はテクニカル的にも上値75日移動平均線(2万8537円)に達したことから戻り一服となりやすい。インフレ警戒が解けないうちはここが目先の抵抗線となりそうだ。