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2022/12/20

 20日の市場は日経平均が大幅に4日続落。終値は前日比669円安の2万6568円で10月13日以来2カ月ぶりの安値となった。前場は前日の米株安にもかかわらず90円高と小高く推移していたが、昼休み中に発表された日銀金融政策会合の結果を受けて後場から急落。黒田総裁が長期金利の変動幅を0.5%広げるとしたことで、あまりに急な緩和修正に市場は売り一色となってしまった。実質「利上げ」とも取られかねない今回の政策変更はしばらく尾を引くことになりそうだ。

 昨日の米国市場は当局の利上げ継続が景気を冷やすとの見方からダウ平均は4日続落した。金融引き締め長期化観測からこの日は長期金利がじわりと上昇。これが株式市場を圧迫し主要指数は軒並み続落した。この日発表された住宅市場指数の軟化など足元の経済指標は下降気味で、情勢的にも買い材料は見当たらなくなっている。ただ、ダウ平均は直近3日間で1200ドル近くも下げており、テクニカル的なリバウンドがあってもそろそろおかしくない状況でもある。

 さて、東京市場はまさに日銀ショックともいえる急落商状となり、長きにわたる大規模金融緩和時代の転換点を迎える1日となった。経済環境の健全化への一歩と捉えていいものだが、あまりに唐突で市場との対話の拙さが表れたとも言える。今まで買い溜めた国債やETFの処理や整合性も問われる問題だ。日経平均は200日移動平均線を大陰線で下放れ、年末相場は米国発ではなく日本発で荒れている。