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2021/12/14

 14日の市場は日経平均が反落。終値は前日比207円安の2万8432円だった。前日の米国株の下落を受けて寄り付きから安く始まった。売り一巡後はプラス圏に戻すなど底堅いところを見せていたが、岸田首相が企業の自社株買いに言及したことや、中国などアジア株が下げたことが響いて再び下値を広げてしまった。市場には暗号資産(ビットコイン)の下落を指摘する声もあった。株価回復も一筋縄では行かず、まだ不透明要因の多さを感じさせる1日となった。

 昨日の米国市場は新型コロナ変異株オミクロンの感染拡大を嫌気してダウ平均は反落した。オミクロン株の感染が急拡大しているイギリスで初の死者が確認されたことや、米国内でも感染拡大から行動規制が取られることへの警戒感から幅広く手じまい売りが出されていた。15日の米FOMCの結果発表を前に高値圏にある米国株を買い上がる理由も乏しかったようだ。米国では徐々にクリスマス休暇を考える時期にきており積極的なポジション構築はしにくくなっている。

 さて、東京市場は日経平均が昨日の戻りをほぼ埋めてしまう反落の1日に。ここ4日間は連日で日足陰線を引くなど取引時間中に買いが入らない弱さを見せている。材料不在と外国人の買いが入っていない証しであろう。売り方の買い戻し以外の買いのない空虚な相場となっている。オミクロン株とインフレが現在の相場の重荷となっており、年末相場に向けて一気に株価水準が切り上がる状況にはなっていないようである。