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2023/03/16

 16日の市場は日経平均が反落。終値は前日比218円安の2万7010円だった。前日の欧米株の下げを受けて序盤から500円を超える下げを示現。米銀破綻の影響が欧州銀にも広がる想定外の展開となってきた。ザラバに日経平均が2万7000円台を下回るのは1月23日以来のこと。さすがに短期的な下げ過ぎ感から10時以降は切り返しへ。スイス中銀が7兆円の資金支援を行うとしたこともあり落ち着きを取り戻したが、金融不安は今しばらく尾を引くことになりそうだ。

 昨日の米国市場は欧州市場の大幅下落を嫌気してダウ平均は大きく反落した。米銀破綻の影響が欧州銀行に及びスイスの金融大手クレディスイス株が経営不安から大きく下落。筆頭株主のサウジバンクが追加出資に応じないと発言したことが赤字経営の同行の不安を呼んだようだ。金融不安による景気減速懸念から幅広い銘柄に売りが出てダウ平均の下げ幅は一時720ドルに達する場面も。一方、長期金利は一段と低下してハイテク株の多いナスダック指数は小幅ながらも反発している。

 さて、東京市場は昨日の反発の弱さが示唆していたように再度下落するなど売り材料未消化の状態を呈している。米銀破綻が世界的な金融システム不安に発展し脆弱な銀行が一段とリスクに晒される負の循環へ。インフレ・利上げばかりに気を取られていたら思わぬ悪材料に出くわしてしまった。日経平均の日足は下げながらも陽線が出て下ヒゲもあることから目先は下げ渋る様子も示している。