2022/08/02
2日の市場は日経平均が大幅反落。終値は前日比398円安の2万7594円だった。前日の米株安に急激に進んだ円高も材料となって朝から売られる展開。円相場は1ドル=130円台とこの1週間で7円も上昇。円安メリットがにわかに薄れている。2万8000円を超えられずに反落したことで目先は仕切り直しといった格好に。米インフレや急速な利上げへの懸念は後退しつつあるが、今度は原油安、円高、米金利低下によりデメリットの部分を短期的に織り込むような状況だ。昨日の米国市場は短期的な過熱感を意識した売りでダウ平均は4日ぶりに小反落した。前日までの3日間で1000ドル以上も上げていた反動からこの日は売りが先行。7月のISM製造業景況感指数の上昇が好感されて一時はプラス圏で推移する場面もあったが、米下院議長が台湾を訪問する見通しだと伝わると地政学リスクが意識されて再び軟化してしまった。もともと短期的な過熱感があったためこれは利食いの口実にされた面もある。
さて、東京市場は急激な円高進行が示唆するように、インフレや金利上昇相場の短期的な逆回転現象が起きている。過度なインフレなどが回避されることは良いことだが、ここまでの円高は目先筋の手じまいを誘発するに十分で、日経平均も再び下値200日移動平均線(2万7563円)を試すような状況だ。台湾をめぐる米中の対立も目先的には買いを入れにくくさせそうだ。