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2021/07/16

 16日の市場は日経平均が3日続落。終値は前日比276円安の2万8003円だった。前日の米国市場でハイテク株が売られた流れを受けて値がさハイテク株などに売りが出た。国内の新型コロナの感染拡大が勢いを増していることも売り材料視されている。もっとも、前日に今期の業績予想を下方修正したファストリが急落し、1社で日経平均を70円以上押し下げている特殊要因もある。他の指数は概ね小幅な下落率で、東証2部指数やジャスダック平均は反発している。

 昨日の米国市場は一部のダウ平均採用銘柄の上昇でダウ平均だけは続伸した。機械株ハネウエルと医療保険のユナイテッドヘルスが独自の材料で買われ、2銘柄でダウ平均を70ドル程度押し上げた。一方、台湾の半導体受託生産最大手TSMCの利益見通しが事前予想を下回ったことで半導体などハイテク株が大きく下落。指数ではナスダックが一番の下落率となった。どの主要指数も過去最高値圏にあるためわずかなことで売りが出やすくなっている。

 さて、東京市場はハイテク株安とファーストリの急落という、指数では日経平均ばかり下押しされる状況が演出されてしまった。内容的には売り一色とは遠く、東証2部指数やジャスダック平均などは堅調な足取りを維持している。今日の下げは日経平均が示すほどのものではないだろう。ただ、国内の新型コロナの感染拡大は重荷となっており、来週も市場の一番の懸念要因となりそうだ。