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2023/05/09

 9日の市場は日経平均が大幅反発。終値は前日比292円高の2万9242円でわずか1日で2万9000円台を回復した。前日の米ハイテク株が堅調だった流れから買いが先行し寄り付きから2万9000円台乗せに。その後も国内企業の好調な決算を受けて上げ幅を拡大。特に鉄鋼と海運株が買われ全体をけん引した。日経平均は先週の上放れの流れそのままに終値ベースの年初来高値を更新。トピックスはさらに勢いを増し1年8カ月ぶりの高値示現となっている。

 昨日の米国市場は米銀の融資厳格化が判明したことでダウ平均は反落した。この日にFRBが発表した1−3月の融資担当者調査によると、米銀の貸し出し基準が前回調査時に比べて厳しくなったことが分かった。企業の資金調達環境の悪化が景気の足を引っ張るとの懸念が重荷となったようだ。一方、経営不安で下げていた地銀株の買い戻しが続き相場を下支え。S&P500種やナスダック指数は小幅ながらも続伸するなど徐々に底堅さも戻ってきている風である。

 さて、東京市場は米株高や円安といった支援材料がないにもかかわらず大きく切り返すなど独自の基調の強さが改めて伝わる1日となった。物色範囲の広さは上場全銘柄で算出される指数トピックスの強さに表れており、こちらは年初来高値どころか21年9月の高値に迫る状況で、ここを抜けば更に1990年8月以来の高値ということにもなる。出来高も増えつつあり安定上昇基調は続きそうだ。