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2021/03/31

 3月最後の取引となる本日の市場は日経平均が5日ぶりに大幅反落。終値は前日比253円安の2万9178円だった。前日の米株安を受けて朝方から売りが先行。米投資会社ア−ケゴスに関する損失拡大の影響も読めず金融株は不安定な動きとなった。一方、1ドル=110円台まで入った円安が支えとなり売り一巡後は一時下げ幅を縮小。景気回復を見越してバリュー株にも小口買いが入った。しかし、年度最終日とあって終盤は再び戻り売りに押されてしまった。

 昨日の米国市場は長期金利の上昇を受けてダウ平均4日ぶりに反落した。この日の米長期金利は1年2カ月ぶりの水準まで上昇。金利に弱い高PER銘柄群である主力ハイテク株が売られ全体の足を引っ張った。背景には次なる巨額インフラ投資にバイデン政権が積極的で、景気刺激にはなるが金利上昇も招くというジレンマがある模様。もっとも、金利が上がった割には株価の下げは限定的で、景気回復下にある今の状況なら深押しする可能性は低そうだ。

 さて、東京市場は米株安と円安の相反する材料のなか、日経平均は年度末要因もあって昨日の実質的な上げ幅(配当落ち分含む)を帳消しにする下げとなった。バイデン大統領が今晩に巨額インフラ投資計画を発表するため、金利動向を含め結果を見極めたいとする雰囲気も強かった。明日から名実ともに新年度入りとなるが、米投資会社の損失問題を除けば、再びバリュー株中心の相場に戻ると思われる。