トップページへ戻る

バックナンバー

2023/07/28

 28日の市場は日経平均が反落。終値は前日比131円安の3万2759円だった。前日の米株反落や1ドル=138円台まで上昇した円高を嫌気して売りが先行。日銀が金融政策会合で長短金利操作の柔軟な運用(YCC)を議論すると伝わったことも影響して500円ほど下げていた。実際、昼過ぎに日銀がYCCの柔軟化を発表すると市場は上下に大きく振れて不安定な動きに。終盤は下げ渋って日銀の政策変更を何とか消化する方向へ持って行けたような引けとなった。

 昨日の米国市場は利上げ継続観測の再燃でダウ平均は14日ぶりに反落した。朝方は4−6月GDP速報の上振れや強い6月の耐久財受注を好感して買いが先行したものの、高値警戒感などから次第に売り優勢に転じその後はマイナス圏へと落ちてしまった。景気指標のあまりの良さに長期金利が上昇に転じた後半相場からは下げがやや加速。ダウ平均は直近13日間で1800ドル近くも上げており、こうした材料をきっかけに目先筋が一斉に利益確定売りに走ってしまったようだ。

 さて、東京市場は日銀の金融政策変更に波乱含みの展開となってしまった。米国や欧州でも利上げ継続の雰囲気があり、日銀もYCCの柔軟化で金利上昇をある程度容認する方向から目先は不安定な動きを強いられよう。一時は850円安まで下値を広げる場面があったが、3万2000円の大台を死守したことで、ここが底値ポイントであることは本日改めて証明された格好だ。