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2021/05/17

 17日の市場は日経平均が早くも反落。終値は前週末比259円安の2万7824円だった。米国株の上昇を受けてこの日も買い先行のスタートとなったが、寄り付き直後の220円高がこの日の高値となり、その後はすぐにマイナス圏へと落ちてしまった。買い戻し以外の買い手が不在で、最近の調整で需給構造がまだ乱れている様子。米インフレ懸念や国内の新型コロナの感染拡大が引き続き重荷となっており、トレンドの立て直しにはまだ時間がかかりそうな気配である。

 前週末の米国市場は長期金利の低下が投資家心理を改善させてダウ平均は大幅に続伸した。朝方に発表された4月の小売売上高の伸び鈍化が目先的なインフレ懸念のピークアウト感を連想させて全般に買いが広がった。金利低下で恩恵を受けるハイテク株には一段と買いが入り、上昇率としてはダウ平均の2倍超えに。ワクチン接種が進んでおり7月には経済活動の一段の正常化が見込まれている。金利さえ落ち着けばリスクを取る動きはなお健在のようである。

 さて、東京市場は早くも反落するなど軟調な展開に。戻り待ちの売りが出るほか、時間外取引の米株先物の弱い動きにも影響を受けている。国内で新型コロナの変異株が広がり経済正常化が遅れることへの懸念も募っている。先週までで主要企業の決算発表が一巡。今期予想が想定の範囲に収まっていることも上値を追いかけにくくさせている。今週は弱めの動きを強いられそうだ。