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2020/05/19

 19日の市場は日経平均が大幅に3日続伸。終値は前日比299円高の2万433円で、今月11日以来、約1週間ぶりに戻り高値を更新した。前日の米国株が急騰したことを受けて幅広い銘柄に買いが入った。ただ、朝方の買い一巡後(520円高)は上値が重くジリジリと上げ幅を縮小。依然として売り方の買い戻しが主で、当面の業績に見合わない株価水準に、実需がなかなか付いて来ないようである。

 昨日の米国市場は新型コロナウイルスのワクチン開発への期待が高まり、景気敏感株を中心に幅広い銘柄に買いが優勢となった。ダウ平均は900ドルを超える上げ幅で4月29日以来の水準を回復している。政府やFRBなどによる追加経済対策が景気を支えるとの観測も買いを誘い、IT・ハイテク株の多いナスダック指数は2月21日以来ほぼ3カ月ぶりの高値で取引を終えている。

 さて、東京市場は米国のワクチン開発進展という材料に大きく買いが先行したが、期待が行き過ぎていることと高値警戒感から開始15分でこの日の高値をつけ、その後は様子見的な相場となってしまった。期待のワクチンが早くても来年初めまで投入されないことや、まだ治験の初期中の初期であることが徐々に浸透したようである。テクニカル的には日経平均の上値2万613円は3月6日〜9日に空けた窓に当たり、75日移動平均線(2万482円)と合わせてこのゾーンは上値抵抗となりやすい。足元で日経平均のPERは37倍とかなりの割高感を示しており、業績的な買いにくさも否定できない。