2022/05/10
10日の市場は日経平均が3日続落。終値は前日比152円安の2万6167円で3月16日以来の安値となった。取引時間中は一時2万6000円の大台を割り込む場面も。前日の米株安を受けて寄り付きから売りが先行。直近4月の安値を下回ったことで手じまい売りも膨らんだ。ロシア大統領が対独戦勝記念日で戦争の正当化を主張し長期戦が避けられなくなったことも不透明感を強めている。一方、中国上海株が朝安のあとに切り返したことで後場は下げ幅を縮めていった。昨日の米国市場は長期金利の先高観や中国景気への警戒感からダウ平均は大幅に3日続落した。今週に発表される消費者物価指数の高止まりが意識されインフレを織り込むような展開。中国の長引くロックダウンや行動制限の影響で同国の輸出が減少するなど世界経済への影響を懸念する売りも出ていた。戦勝記念日のロシア大統領の発言に新味はなかったが、戦争長期化に変わりはなく事態打開のメドがたちにくくなっている。主要3指数は揃って年初来安値を更新した。
さて、東京市場は本日も米株下落に連れ安する軟調な展開。円安トレンドは維持しているものの、金利上昇や中国景気への懸念が今は勝ってしまっているようだ。ウクライナ、ロシアともに今はどちらも引けない状態になっており戦争は年内に終わらないとの見方が強まっている。インフレの長期化もこれにつれて避けられないであろう。実需が戻りにくい状態は今しばらく続きそうだ。