2023/12/08
8日の市場は日経平均が大幅続落。終値は前日比550円安の3万2307円で先月8日以来1カ月ぶりの安値となった。円相場が1ドル=141円台まで一時急騰したことが売り材料となり開始から300円を超える下げに。日銀総裁が「来年にかけて一段とチャレンジングな政策」と発言したことが早期のマイナス金利解除と受け止められた。これは円高、融資金利上昇と国内景気圧迫要因となり、本日はちょっとしたファンダメンタルズを売る動きにつながってしまった。昨日の米国市場は短期的な値頃感による買いが入りダウ平均は4日ぶりに小反発した。最近の経済指標で景気鈍化を示すものが増えており、これは長期金利低下を促すものとして買い材料となる一方、景況感の悪化は売り材料視されるなど煮え切らない状態を招いている。8日発表の米雇用統計も注目されているが、結局のところ金利低下と業績下降の両面がぶつかり合いになり、足元のモタつき相場は続く可能性が高そうだ。
さて、東京市場はまさに円高ショックと言っていいような急落商状となっている。米利上げ停止観測が出ているところに日本は逆行する利上げ措置ということで、為替市場には構造的な変化が起きてしまったようだ。余計に買ってしまった円安メリット分を吐き出すような売りでしばらくは3万2000円台のレンジに入りそう。下値75日移動平均線(3万2372円)辺りを守れるかが当面の焦点だ。