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2022/08/16

 16日の市場は日経平均が3日ぶりに小反落。終値は前日比2円安の2万8868円だった。前日の米国株は堅調だったが、日経平均は直近2日間で1000円以上も上げた反動から小口売りに押されて始まった。売り一巡後は前日終値近辺まで戻してもみ合う展開。米国のファンダメンタルズが回復傾向にあり、基本的には緩やかながらも上昇基調を辿って行く流れだが、目先は心理的なカベでもある2万9000円が控え、買い方も少し慎重になっている様子。

 昨日の米国市場はインフレがピークアウトしつつあることを引き続き好感してダウ平均は4日続伸した。最近は各種物価指標が前月比で低下し、この日は原油先物(WTI)の半年ぶり安値示現も手伝って物価鎮静化観測が一段と高まった。労働コストは依然高いが賃金高が景気を支える面もあり、米経済の体質の強さが改めて評価されている。一方、この日発表された中国の主要経済指標が悪く、中国景気の先行き不安から上値は少し重くなってしまった。

 さて、東京市場は基本的には株高の流れにあり、多少時間はかけても日経平均は2万9000円台に乗せてくるだろう。4−6月決算は全体として見れば堅調で、日経平均のPERもこの株価水準でまだ12倍台後半と割安だ。これ以上の物価高が回避されれば年度後半の見通しに慎重だった企業の業績予想も上方修正される可能性が出てくる。今のところ売り材料はあまり見当たらない状態だ。