2023/05/10
10日の市場は日経平均が反落。終値は前日比120円安の2万9122円だった。前日の米株安を受けて朝から売り先行のスタート。日経平均は昨日の急伸で1年4カ月ぶりの高値圏に達しており利食い売りが出るのも仕方のないところである。本日は個別企業の決算が期待値に届かなかったものもあり、昨日とは違って買い材料の見当たらない1日となっている。それでも日経平均は2万9000円台を下回ることなく推移し安定した基調に揺るぎは見られない。昨日の米国市場は10日に発表される4月の消費者物価指数を前に小口売りに押されてダウ平均は小幅続落した。事前予想として今回の消費者物価指数は前月比ベースでの伸びが想定されており根強いインフレが警戒されている状況。米地銀株の先行き不透明感や米政府の債務上限問題などもあって目先筋の手じまい売りがじわりと広がってしまった。一方、ボーイングなど一部主力株が買われたことで主要3指数は下げても下値は限定的なものに収まった。
さて、東京市場は米ハイテク株安に影響されて反落する展開。昨日に2万9000円台に入ったことで今期予想PERが14倍台に乗ってしまい、やや割安感が薄れていることも買い方を慎重にさせている。ただ、指数が下がったとはいえ昨日の上げ幅の半分も押さない状況。外国人を中心とした実需買いがベースにあるため日経平均はここ1カ月ほど25日移動平均線まで下押すこともない安定感だ。