2021/07/09
9日の市場は日経平均が3日続落。終値は前日比177円安の2万7940円で5月17日以来の2万8000円割れとなった。前日の米株安に1ドル=109円台まで進んだ円高が売り材料となり朝から400円を超える下げで始まった。その後も新型コロナによる日本や世界の景気回復鈍化を懸念して売りが続き下げ幅は698円に達する場面も。ETF決算による換金売りも下げに拍車をかけた模様。一方、終盤は日銀買いの思惑から急速に下げ渋って短期的な底入れ感も出している。昨日の米国市場は世界的な新型コロナの感染拡大を嫌気してダウ平均は反落した。日本の緊急事態宣言やアジア、欧州、南米などで感染が拡大している状況が世界的な景気下押し要因として意識されたようだ。この日発表された週間の新規失業保険申請件数が事前予想を上回り米国でも景気懸念が出始めている。米国株は過去最高値圏にあり手じまい売りが出やすい状況。当面はコロナの感染状況に左右される相場となりそうだ。
さて、東京市場は4度目の緊急事態宣言をきっかけに相場がちょっとした波乱状態に陥っている。新型コロナ変異株の世界的な拡大が回復相場に水を差してしまった。国内では安心、安全な大会とは反対に五輪開催が市場の負担に変わっている。日経平均は下値200日移動平均線(2万7522円)で下げ止まり長期トレンドは保ったが、回復はなお容易でない株価の崩れ方となっている。