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2020/08/28

 28日の市場は日経平均が大幅に3日続落。終値は前日比326円安の2万2882円で、今月20日以来の安値となった。米ダウ平均の上昇や円安進行を受けて後場中頃まで買いが優勢だったが、安倍首相の突然の辞任報道で一気に株価は急落してしまった。次期首相を市場は思い描く時間もなかったため、しばらくはリーダー不在の混沌とした時間をややネガティブに過ごすことになるだろう。

 昨日の米国市場はFRBの新指針を好感してダウ平均は続伸。一時は昨年末終値2万8538ドルを上回るなど今年の下げを埋めるような展開となっている。注目のジャクソンホール会議におけるFRB議長発言は物価2%超えまで低金利政策を続けることを示唆。利上げは向こう数年間はなく、米株式に一段の上昇余地を与えたとの見方が広がった。米国で新型コロナ感染者数が減少傾向にあることも後押しし、S&P500種は連日で最高値を更新している。

 さて、東京市場は久々に国内発の材料で大きく動き、日経平均はまたも2万3000円台を割り込む展開となってしまった。突然ともいえる首相辞任は市場を含め各方面でも準備不足であっただけに、しばらくは波乱含みの状態を続けそうだ。その驚きは一時600円安まで達した値動きに表れている。国内政治の先行き不透明感から運用リスクを避ける動きは次期総裁が見えてくるまで続くだろう。来週もネガティブな動きから株価は続落しそうな気配である。