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2020/09/01

 9月最初の取引となる本日の市場は日経平均が小反落。終値は前日比1円安の2万3138円だった。前日の米国株の下げを受けてマイナス圏で推移。中国の8月の製造業PMIが9年7カ月ぶり高水準となったことで中頃に一時プラス圏に浮上したが、投資家の様子見姿勢が強く再び値を下げてしまった。自民党総裁選で菅官房長官が優位との報道が全体的に安心感をもたらし下値は限定的だった。

 昨日の米国市場は高値警戒感からダウ平均は4日ぶりに反落した。この日は月末とあって、8月に2000ドル以上も上がっていたダウ平均には、目先筋の手じまい売りが出やすくなっていた。8月のダウ平均の月間上昇率は7.6%で36年ぶりの記録。一方、それ以上に過熱感のあるナスダック指数はアップル株などハイテク株の上昇にけん引されて連日の最高値更新。アマゾンやテスラなどコロナ禍でも業績を伸ばす企業が依然として人気だ。

 さて、東京市場は下値は堅いものの上値も重い、従来の図式に戻ってしまった格好だ。菅官房長官出馬の件は昨日の相場でほぼ織り込んでしまったようで、市場に一定の安心感をもたらしはしたが、これ以上の株高にはつながらないことも見えている。東証1部の出来高は再び10億株割れ寸前まで減少。2万3000円台を維持する強さはあるが、相変わらず実需不足で膠着しやすい状況にある。個別では任天堂、伊藤忠、テルモなどが年初来高値を更新。コロナ禍で業績を伸ばす出前館が一時ストップ高するなど人気化している。