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2021/11/30

 11月最後の取引となる本日の市場は日経平均が大幅に3日続落。終値は前日比462円安の2万7821円で、先月7日以来の安値となった。前日の米株反発で開始早々に400円超の上昇を見せたが、買い一巡後はオミクロン株に対する不透明感が払拭できず次第に軟化。後場後半には時間外取引の米株先物安を受けて一気に2万8000円の大台を割り込む下げとなってしまった。オミクロン株が欧州で急拡大していることが恐怖心を煽っている面もあるようだ。

 昨日の米国市場は前週末に今年最大の下げを演じた反動からダウ平均は3日ぶりに反発した。この日、米大統領が新型コロナのオミクロン株出現でロックダウンは考えていないと発言したことが買い戻しのきっかけに。主要指数すべてが上昇に転じたが、やはり景気敏感株には響いているようで戻りはバラつきがある。大きく低下した長期金利があまり上がらなかったことでハイテク株の多いナスダック指数の反発が一番大きい。ただ、買い戻しの域を出ておらず底打ち感は乏しい。

 さて、東京市場はオミクロンショックが継続し日経平均は大幅続落へ。前場に400円超上げて後場に400円超下げるなど、逆に地合いの弱さを露呈する展開だ。今回のことでFRBの早期利上げ観測が後退している点はプラスだが、財政出動は日米とも今月に手を打ったばかりで早期の対策は期待できない。オミクロン株による世界経済への圧迫は案外大きいかもしれない、そんな雰囲気を漂わせる株安となっている。