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2023/11/29

 29日の市場は日経平均が3日続落。終値は前日比87円安の3万3321円だった。前日の米国株は上昇したものの、円相場が1ドル=146円台半ばまで急伸したことが響き、取引序盤は200円ほど下げる意外安の展開となった。売り一巡後は金利低下を背景に年末高を意識した個人の押し目買いが入って持ち直し、指数は一時プラス圏を回復した。しかし、高値警戒感などから上値の重さは変わらないようで、結局は五月雨的な売りに押される1日となってしまった。

 昨日の米国市場は長期金利の低下を受けてダウ平均は反発した。この日はFRB理事が「インフレが一段と低下すれば利下げを始められる」と発言したことが好感されて長期金利が4.3%台前半とおよそ2カ月ぶり低水準となった。金利の低下で株式の相対的な割高感が薄れ主力銘柄の一角に買いが入った。ただ、ダウ平均は8月の年初来高値に近い水準でもあり、一時180ドル以上値上がりしていた同指数は終盤にかけて上げ幅を縮めてる。

 さて、東京市場は米株反発も急速な円高の動きが嫌気されて市場は気迷いの状態となった。米国で長期金利が下がれば円高を招く二律背反の動きが出るのは仕方のないこと。ただ、金利の低下は全体として株式の価値を上げるため為替よりはプラスに働くはずだ。チャート面では10日移動平均線(3万3452円)を下回って引けたため短期のトレンドには翳りは出ている。