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2006/01/31

◆平均株価はコア30指数などの日本を代表するといわれる銘柄などを中心に3日連続で昨年来高値を更新。世界の顰蹙(ひんしゅく)をかった第3週のひどい相場を挟んだものの、1月相場は下ひげの長い月足陽線で終った。昨年5月から9カ月連続の陽線だ。「いやはや 南友!」あきれるばかりの強い相場だ。きょう発表された昨年12月の求人倍率が13年3カ月ぶりに1倍を回復したという。背景にあるのは、景気・企業業績の好転である。ちなみに、今3月期の企業業績は期を追うごとに増益率が高まっている。新光総合研究所によると、1月30日現在で発表済みの第3四半期(3Q)決算(対象1061社中239社、開示率22.5%)で見ると、売上高増減率は1Qが0.7%増、2Qが2.3%増、直近の3Qが4.4%増なり。経常利益増減率は1Qマイナス10.5%、2Q0.4%増、3Q8.8%増、純利益増益率は1Qがマイナス22.0%、2Q20.5%増、3Q17.3%増とほぼ尻上がりに好転している状況が分かる。1月第3週以降の驚くべき反発力はここ(企業業績の好調さ)にある。■もっとも、目を外に転じれば、暴力的な状況となっている。「地政学的リスク」はどんどん高まっている。小さな島国に閉じこもって天下泰平と浮かれる場合ではないという気持ちに襲われる。昨年秋、WTI原油先物価格が史上最高の1バレル70ドル台に乗せたが、日本に入ってくる代表的なドバイ原油は50ドル台だった。中東の火薬庫パレスチナに生まれたハマス新政権やイランの核開発を巡る、シャロン首相倒れたイスラエルとの緊張。テロ撲滅を合言葉に国民を政府の監視下に置こうと画策し続ける米国がイラクの次はイランとばかり、若い兵士をイランに送り込む可能性が高まりつつある。イランは確認埋蔵量で、原油が世界第3位、天然ガス2位の国である。当然、原油、金・・など商品市場に世界のカネが流れこむことになる。国連でのイラン制裁は難しそうだが、もし、米国や欧州主導で「イラン経済制裁」を実施するとなれば、日本が持つアザデガン油田開発の権益に大きなダメージとなり、原油高に喘ぐことになる。「対岸の火事」ではない。

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◆それら難問を抱えつつ、2月相場が始まる。金相場は25年ぶり高値となっており、なお上値を襲う格好だ。注目は当然、住友鉱(5713)。平均株価の月足と見比べてほしい。昨年5月以降、全く同じ形をしている!きのう本欄は大量の信用買い残が抑え上値を突破する材料が欲しいところだとしたが、金価格上昇圧力に加え、きのう発表の第3四半期業績から、海外投資したニッケルや銅などの増産、電子材料の収益拡大を背景に今3月期大幅増益に続き、07年3月期の2ケタ増収増益も見えてきた。強気で2000円相場入りを目指そう。■筆者注目のホンダ系車体骨格部品メーカーのヒラタ(5989・ジャス)がきょう発表した第3四半期連結経常利益は前年同期比44%増だった。通期業績予想を増額したがまだ慎重だ。来期は本郷(3425・ジャス)との合併効果で一回り大きな企業となる。◎岡谷鋼機(7485・名)の1月月足は棒立ち陽線だ。トヨタ以下保有株式の含みは膨大であり、保有株の株価上昇でさらに含みは拡大する。強気買いで攻める!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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