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2011/04/05

◆日経平均は前日比103円安の9615円と反落し、TOPIXは3日続落した。4日の欧米株は続伸したが、東電(9501)が福島第1原発事故処理で、低レベルの放射能物質を含んだ大量の汚染水を海に流し始めたと発表したことを受け、原発事故に伴う復興負担や賠償負担の増加などが懸念され、見切り売りなどに下げ幅を拡大、約59年ぶりに上場来安値を更新した。そして、ストップ安に売られ、結局ストップ安売り気配で売り注文を残すなど全般地合いを悪化させた。日経平均は、3月15日安値から海外勢の大量買いなどで急反騰した。しかし、戻りの節目のひとつ200日移動平均線を抜け切れなかったうえ、前週半ばから海外勢の朝の成り行き注文状況は売り越し基調となっていることも嫌気され売り優勢の展開が続いた。

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◆震災に伴う部品不足が内外生産のネックとなり業績懸念が強まっている自動車、電気機器、精密機器・・など日本の中核業種は軟調に推移した。●しかし、自転車部品で世界大手のシマノ(7309)は円の対ユーロ8日連続安を追い風に全面安商状のなかを逆行高した。同社の場合、サンリオ(8136)が欧米でのライセンス収入の増加や震災後は後退したものの中国からの暑い視線が株価を押し上げているのとある意味で似通っている。他社にはない独自の「売り」を持っていることだ。シマノは1987年!の「リゾート法」施行前後、つまりバブル期、株価600円時代以来の筆者にはなじみ深い銘柄だ。株価は、きょう現在、5週間ぶりに52週移動平均線を上回り、併せて18週間ぶりに26週線も突破してきた。週末もなお両移動平均線を上回った時から「買い」でウォッチングを開始したい。●一方、サンリオは3月7日に2000年7月以来約11年ぶり高値2839円をつけた。が、信用需給の良さが後押しした感があるうえ、09年11月の二番底673円からの上昇であり、上げっぷりが見事すぎることが懸念材料。ウォッチングとしたい。

◆両社株はともかく、この日も東京外為市場で円が対ユーロ、対ドルで続落したものの、自動車、電気機器、精密機器、機械などが大きく売られたことが懸念される。そして、日経平均は200日線さえ突破してないうえ、週足は4週連続で短〜長期線を下回って推移している。テクニカル面からの「買い」サインは消えたままだ。このことは引き続き留意すべきであろう。「景気を押し上げる復旧復興対策基本法案の要旨は先に発表されたが、大復興計画の素案が見えてこない」こともあり、日経平均からは慎重な行動を求められている。●ハーモニック(6324)は2000円を割り込み分割落ち後安値を更新・・。落ち着く先を見届けた後、行動を開始しよう。●一方、マクドナルド(2702)はどこまでしぶとく52週線にかじりついた格好で推移するかに注目しよう。●同じことがいえるのはメッセージ(2400)、こちらは26週線攻防戦が続くかに注目。●新規注目株は省電関連として、LED(発光ダイオード)事業への進出が期待されるシグマ光機(7713)。もちろん、週足チャートは08年10月リーマン・ショック時安値447円から概ね52週線を下値サポートラインとした上昇基調にある。3月15日には560円までイレギュラー安したが、その週末には52週線をクリアし、前週には6週線も回復。全週足移動平均線を3週間ぶりにプラスかい離してきた!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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