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2008/08/05

◆5日のアジア・太平洋15市場星取表は3勝12敗と前日の2勝13敗に続く厳しい結果となった。世界の市場は米国株次第の写真相場と化している感が強い(日本市場における外国人投資家の売買シェアが突出している。そして、その外国人投資家は自国もしくは米国株によって運用成績の明暗が分かれており、自国で苦戦した時には日本株売りの勢力に転じることが主因)。4〜6月期(1Q)決算発表がほぼ終り手がかり材料が乏しくなった東京市場はアジア市場安もあって、手詰まり感が強い週明け相場となった。TOPIX業種別指数を見ると明暗がはっきり分かれている。値上がり業種は、紙・パルプ、その他金融、銀行、電機機器、医薬品など16業種。一方、値下がり業種は、1Q決算悪嫌気の日水(1332)が属す水産・農林、7月安値を割り込み4月16日以来の安値水準に下げてきた新日鉄(5401)を擁す鉄鋼、保険業などが大幅安となった。

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◆ただ、6日の東京、アジア市場は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催された5日の米国株急騰を背景に、買い戻しなどが先行する展開か。なかで、●テクニカル面から注目は日立(6501)の動き。5日には逆行高し2月5日の年初来高値にあと11円となる825円まで一時買われた。4日に、75日移動平均線が200日線を上抜くゴールデン・クロスを示現し、上昇基調にあることを示唆した。6〜7月の安値時には200日線ががっちり下支えしており、昨年9月にデッド・クロス(中期線の75日線よりも長期線の200日線が上になること)して以来の基調転換を示唆したもの。はっきりいって、日立にはそれなりのトータルイメージはあっても、独自の面白さに欠ける「顔のない企業」ともいえる。が、「選択と集中」の東芝(6502)が655円まで下げ、3月18日の年初来安値649円に急接近したうえ、7月25日現在の信用買い残株数3195万株、信用倍率4.90倍と需給悪のなかにあるのに対し、日立は取り組み自体が薄いものの0.79倍と売り長状態と信用需給面からは上値のシコリが乏しい。6日は、東芝は買い戻しが主力となり、日立は新たな資金流入?が予想される。

◆ツムラ(4540)が一時2990円まで買われ年初来高値更新。06年9月以来の3000円台乗せに王手をかけている。医薬品株はディフェンシブストックとして人気となるなか、同社株は来月までには12カ月移動平均線が24カ月線を上抜く長期線のゴールデン・クロスを示現する好タイミングにある。テクニカル面のよさと漢方薬の普及を背景とした業績面のよさを追い風とした3000円相場に期待したい。●かつて中期注目株として紹介したペットフードや紙おむつなどを手がけるユニチャームペット(2059)が一時3450円まで買われ、5月の上場来高値3420円を更新した。1Qが大幅増益の好業績にもかかわらず中間期予想のみの小幅増額修正にとどめ、通期業績予想を据え置いた。増額修正期待と、04年の株式上場来、上昇基調が続いている強い動きから、まだ大きな相場が待ち受けているとみたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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