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2007/11/19

◆世界株式市場はスパイラルダウンの様相となっている。米州からアジアそして欧州、また、米州・・と玉突き状の下落である。最大のポイントは、米経済への懸念、ドル安が止まらないことか。戦後の「パックス・アメリカーナ」(米国による繁栄)は、1976年のニクソン米大統領によるドル・金交換停止で終りへの始まりを迎え、世界通貨に対するドル安が進行。産油国は、1バレル=100ドルが目前に迫るもドル安によるマイナス面を考慮し、かつ、ファンドなど投資資金主導の原油先物、非鉄・貴金属、穀物価格上昇と判断、増産しても原油価格は下がらないとし現状を維持することを選択。海外為替市場では、1ドル=109円台と円高が進む。<低金利の円で資金を調達し、高金利通貨で運用する円キャリー取引>を解消する動きが強まったのだ。これが、日本の株式市場では輸出関連株を売る要因となり、新興市場の株式急落は新興国の経済不安定要因につながることから、新興国関連株として買われてきた海運、商社、造船、鉄鋼関連株などの売りを誘う、悪循環・・。 パイオニア(6773)が4ケタを割った。4ケタ割れは1975年1月以来ほぼ33年ぶりのことだ。音響機器トップから現在は、カーナビ、プラズマテレビを中心に展開するが、プラズマTVは液晶との競争で後塵をはいしつつあり、かつ、松下とのプラズマトップ競争にも厳しいものがある。同社は山梨県でのプラズマ新工場建設の凍結を決めるなど苦戦が続く。国内家電業界はかつて世界トップにあったが、台湾、韓国の追い上げ、国内市場の成長鈍化、メーカー間の競争激化でサバイバル戦の只中にあり、先行きへの懸念が強まっている。このことは、同社だけでなく、家電業界共通の懸念でもある。■当欄注目株の独特の技術・製品保有の日東電工(6988)、浜松ホトニクス(6965)も足元株価は軟調展開となっている。が、中長期的には、深押しは買いの姿勢を崩す必要はない企業だ。●筆者長年の注目株であるインクジェットプリンターのセイコーエプソン(6724)は10月29日に今3月期中間期及び通期業績予想の減額修正を発表。その直前株価2800円台から2200円台まで大きく下落した。7月には4320円まで買われていただけに、当面は戻りを売られるパターンが続くと覚悟せざるを得ない。●また、75日線上に上昇基調を刻み続ける日合成(4201)も19日、75日線にタッチしている。連続経常利益過去最高更新のPER20倍台割れ銘柄で買い余地大なのだが、75日線を大きく下放れるとなると先行きは厳しい。

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◆注目は、6カ月移動平均線(まれに12カ月線)沿いに04年以来の長期上昇基調を続けるJT(日本たばこ産業)(2914)が上昇トレンドを維持できるかということ。今のところ月足、週足、日足とも異変は見られないが、JTが崩れる相場となれば、想定以上の厳しい全般展開も予想される。当分目を離すことはできない。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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