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2012/06/18

◆6月第3週初め、日経平均は前週末比151円高の8721円と大幅続伸し、5月22日につけた年初来高値をほぼ1カ月ぶりに更新した。15日の欧米株は続伸、円が対ドル、ユーロで反落したうえ、17日のギリシャ再選挙の結果から同国のユーロ離脱懸念がいったん和らいだとの見方が広がったのだ。東京外為市場では円が対ドルで3日ぶりに反落し、対ユーロでも4日ぶりに反落したことから、輸出関連、素材・資源関連、金融関連を中心に幅広く買いが広がった。出来高上位30銘柄はそろって上昇し、TOPIX業種別株価指数は全33業種中の31業種が上昇した。しかし、これは悲観の裏返しであり、ギリシャ再選挙の結果を反映して、欧米株がどう動くのかは不明。結果、売り物薄の中を株価だけが上昇した格好で、出来高は4日連続の15億株台割れと薄商いに変わりはない。中央銀行が予想外に金利を据え置いたことが嫌気されたインドやタイを除くアジア株高も東京を後押しした。が、18日のG20首脳会議、19〜20日の米FOMC(金融緩和の発表は?)を控え、欧米市場の動きを見たい・・と様子見気分も強かった。

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◆ギリシャでは、緊縮堅持のNDが第1党となりボーナスの50議席を獲得、連立政権が誕生する。当面の最悪事態は逃れた、が、国民の耐乏生活は終止符が打たれそうになく、財政再建は困難が続きそうだ。また、ユーロ第3、第4のGDP大国、イタリアとスペインの10年国債利回りはなお上昇し、イタリア株価は厳しい展開。ドル対ユーロではユーロの先物売りが過去最高に積み上がっており、短期的なユーロ買い(ショート・カバー)が先行することになりそうだが、その後の株価やユーロの行方は予想外の展開も?なお、リスキーな市場であることに変わりはない。

◆日経平均は5日線が25日線を上抜きゴールデンクロスを入れたとし、「大底を入れた」との報道があった。が、上記から見れば、単なるリバウンド以上のものではない。3月高値1万255円から6月4日安値8238円まで19.7%下落。天井打ち後に2割を超えて下げた場合は「下げ相場に転じた」という解説をぎりぎり免れたが、買い戻しだけではリバウンドの限界点に余り余裕はない。新たな相場への出発には手掛かり材料が必要だ。が、国内に材料がある?今週のG20首脳会議、米FOMCが市場の期待の方向に動く?そして、米国株は?NYダウは5月1日のリーマン・ショック後高値1万3338ドルから6月4日の1万2035ドルまで1303ドル下げたが、前週末15日には1万2767ドル引けと732ドル(56%)戻し、半値戻しを達成した。日経平均との差は歴然・・!

◆もっとも、海外高の後押しがあれば、日本株見直し買いや買い戻しは期待できる。大きく落ち込んでいた輸出関連をはじめ幅広くリバウンドが見られた。しかし、●当欄注目の内需株では大塚HD(4578)が2500円を突破できず75日移動平均線割れ。昨年12月以来の26週線を意識した動きに転じた。5月安値2327円割れとなればいったん、現金化したい。●物語コーポ(3097)は1500円の壁突破ならず。5月安値1397円を割り込むと5月高値1506円をトップとした「三尊天井」を形成。手持ち株は「売却」となる。●コスモス薬品(3349)が5000円に肉薄した。利食い売りは「可」!としたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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