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2007/08/10

◆10日のアジア・太平洋16市場代表株価指数は0勝16敗1休場となった。9日の欧・米市場大幅安をうけ悲観人気が走ったもの。韓国の4%超下落を筆頭に中国も上海・シンセンCSI300指数が1.06%下げるなどほぼ全面安となったほか、残り各国の主要指数は全敗した。日本では、日経平均株価が406円安(2.37%安)となり、TOPIXは2.96%の下落で、33業種別株価指数中3業種が上昇したほかは大幅下落となった。上昇したのは水産・農林、電気・ガス、空運の直近にかけ大きく売り込まれた業種のみ。これらは買い戻しが先行しただけのこと。信用収縮懸念の拡大背景に、世界の投資・投機マネーが利益の確定を先行させていることが背景にあり、米国サブプライムローン絡み破綻の輪が広がっている。日経平均株価、米国株、欧州株とも3週間の急落相場となった。日経平均株価はこれまで下値サポート欄となってきた52週移動平均線を2週連続で割り込んだ。残るは、05年5〜6月安値時に下支えした24カ月線だが、きょう現在1万6386円でありのりしろは380円弱しかないが、今年高値から10.5%の下げで下げ止まるかはやや疑問。むしろ、一気にこれを大きく下回ることで、かえって、底入れ感が浮上し、底入れ反転となると見るがさてどうか。

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◆10日、東証1部値下がり率ランキングでは、主な市場を大証とするパチスロ機製造のアビリット(6423)が14.7%下落し第1位となった。前日に、今12月期連結経常損益は黒字から一転大幅赤字見通しになったと減額修正し、1株につき年20円配当を予定していたが取りやめると発表したことから失望売りが広がったもの。この日は、値下がり率30位でも10.07%下げと前日以上に大幅下げ銘柄が続出した。が、ストップ安でランキング入りした5銘柄のうち、本欄強気の三桜工(6584)やセイコー(8050)は前日以前に第1四半期の好業績を発表済みで、7月に年初来高値か二番天井をつけた銘柄。前日に減益決算を発表したわけではない。新和海運(9110)、津田駒(6217)などと同様に、直近、株価が大きく上がっていたことが売り材料視されただけだ。同様に多くの銘柄が新たな売り材料がないまま、急速に値を消していった。

◆株価を決定するのは、「価値(企業成長=1株利益成長)、人気(時代が求めるテーマ、人間の欲望)、需給(金利、信用需給)」の3大要素といわれる。現在、新興市場では「企業の価値」が問われており、企業の決算・経営に関して不透明感が広がっており、霧が晴れる様子が見えない。マザーズやヘラクレスの指数発表開始後の最安値更新を続けているのはそのためだ。そして、直近の東証1部市場などは「需給」に翻弄されているといえよう。■本欄注目株の交換レンズ専業大手、デジタル一眼レフカメラ時代入りで収益が再度急拡大し始めたタムロン(7740)は6日に第1四半期業績を発表し、7日に4260円の年初来高値を付けた後、3日続落で3570円の安値引けとなった。3088円の26週線が下値目標となる。これは、今期予想PERは20倍割れの水準であり、企業成長を買うに十分値ごろ感がでる水準といえよう。■きょう堅調は立飛企業(8821・東2)、高値更新はその兄弟会社の新立川(5996・東2)、高値更新後に反落したのは片倉(3001)。この含み資産3羽烏はロイヤルホテル(9713・大2)とともに継続注目!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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