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2013/01/09

◆「安倍首相は自らの思い入れの強いテーマの検討のため、有識者会議を続々と立ち上げる。」と9日付け朝日新聞は報道。そして、「安倍カラーが出すぎることへの反発を和らげるため、今夏の参院戦後まで結論を先送りする思惑もありそうだ」と伝えた。デフレ対策に金融緩和、円安、公共事業などに全力を注ぎ、デフレを脱した後、3%の経済成長率を目指すとしている、という。高度成長期のように製造業が世界で稼ぐ強さを持っていれば、円安策は有効であろう。しかし、外貨を稼ぐ製造業は、日本がTTP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加していないため、先行き一段と厳しい環境となることが予想される。どんどん円安が進んだとしても、影のような利益が膨らむだけ。円安マジックが消えてしまえば、厳しい現実に逆戻り。しょせん、円安頼りの競争優位は幻、相対的なものに過ぎず、国力が衰えたなかでの悪い円安に企業もひとも泣かされる?「安い作物の流入を農家が懸念するのは当然。だが、普通の産業なら競争力のない企業は退出するのに、なぜ、農業は守るのか。その点を整理し、保護策と競争力の強化策を区別して検討する必要がある」とは昨年11月の日経電子版の記事だ。

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◆さて、日経平均は前日比70円高の1万578円と3日ぶりに反発。後押ししたのは為替が円安に振れたことと、安倍政権の経済対策への期待感。円は今週に入り2日間円高で推移したことから、昨年11月後半からの上昇相場を支えてきた「円安」基調が一服するのではないかとの見方から、株価の大幅回復も重なり、利益確定売りが広がっていたもの。その円高が今朝方にブレーキが掛かった。これを受け、金融、輸出関連セクターなどに買いが広がり、買いエネルギーが沸騰。出来高は大発会から4日連続で30億株を超え、売買代金は12月12日から14日連続で1兆円を超えた。どこまで、安倍政権に期待するかは分かれえるところだ。

◆セブン&アイHD(3382)が急反騰、一時64円高の2666円と昨年8月高値をクリアし、09年1月以来4年ぶり高値となった。8日に発表した13年2月期第3四半期(12年3−11月期)連結決算で売上高に当たる営業収益が前年同期比3.6%増の3兆6775億円、経常利益は0.4%減の2163億円と増収微減益で着地。年2円の増配を発表した。個人消費の低迷が続くなかも、主力のコンビニ事業売上高が前年同期比9.9%増と大幅伸張、金融関連事業の増益も寄与し収益を押し上げた。株価は、これまで記してきたように、東日本大震災後の上場来安値1755円を基点とした(長期相場の動きを示唆する)52週線沿いの上昇基調にある。個人消費低迷期にも成長する企業として、中勢上昇基調が続くとみる。●三菱食品(7451)はコスモス薬品(3349)など「日本の流通業の高成長を支える」卸売最大手。昨年3月に1460円の長期二番底を付け、きょう2339円と急騰し、東日本大震災後の高値を更新したことで、上昇基調入りに向けさらに前進した。12年ぶりの長期上昇相場への期待が高まる。緩んだ場面があれば打診買いあるいは追撃買いしよう。●神戸物産(3038)は12月高値からの調整局面のここから、買い場を探したい。2300円水準で止まるか、11年からの上値ネックライン2200円台前半が下値サポートラインとなるか。100株打診買いするか!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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