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2007/08/27

◆竜頭蛇尾。前週末24日の米国株高を受け、好ダッシュした市場だが、大半の銘柄が日足陰線、朝高の引け安で終った。一方、前号の本欄でにわかに「全般、不透明感が晴れないことが、逆に、上昇エンジンとなっている銘柄がある」と指摘し、<思惑株として割り切れる投資家のみへの買い推奨株>としたMUTOHホール(7999)や前週23日に、2007年12月期連結業績予想の2度目の増額修正を発表した日本電工(5563)などは日足大幅陽線を重ねた。●日電工は17日に直近安値536円をつけた後、6連騰。93円高の820円引けで後場遅くには100円ストップ高の827円まで買われる場面があった。両社とも直近で業績を大幅増額修正した。片や長期横ばい無相場銘柄で、片や、マンガン市況回復で鋼材副原料である主力のフェロマンガンが拡大し業績を牽引した、個人投資家など短期資金の流入による思惑相場に発展しやすい材料思惑銘柄。日電工は出来高を前週末比大幅に増やし、昨年9月に急騰劇を演じ新たな株価水準にステップアップした時以来の2815万株と勢いを見せた。●一方、MUTOHは上昇相場が始まった10日以降、ここ12日間の星取表は10勝2敗。連日で逆日歩1株50銭をつけている。この日の出来高は前週末比222万減の447万株と2日連続減となるなか、引け前に675円のそれまでの高値に買われ、その直後から634円まで急落、そしてその後一気に買いが流入し65円高の680円まで1分足陽線を続け、高値引けとなった。<力の相場だからいつ失速するか分からない怖さが付きまとう>。が、「出来高が減少傾向となるなかで、株価上昇が続く。ということは、売り物が枯れてきはじめた。上昇ピッチに弾みがつく」というのは、仕手思惑株のみならず通常の相場でよく見られること。17日安値からの全般戻り相場だが、日経平均株価がこの日一時1万6500円をのぞいたことでよしとするようなひ弱な相場ならば、全般相場に不透明感がつきまとう今しばらくは、こういった材料思惑株物色は続きそうだ。●かつて仕手思惑株として何度も短期資金の間で話題となった丸山製(6316)などがこの日顔をのぞかせてきたのも、短期相場がこういった流れになっていることの結果といえそうだ。

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◆「水産資源争奪戦は続く」と指摘、水産大手唯一の業績好調銘柄だとし、4ケタ相場を期待した日水(1332)だが、先に発表した第1四半期(4〜6月)大幅減益決算が失望され、下落基調に弾みがついてしまったが。6月の17年ぶり高値880円から一気に540円台まで下げ、超長期相場のトレンドを見る24カ月移動平均線を10.4%割り込んだことは中長期相場が厳しいこと示唆する。通期業績の減額修正を織り込みにいく相場。ただ、中国の水産資源は長江など大河からの水産物がダメになるなか、海洋資源に向かう動きは一段と強まり、欧米でも水産物が食事の中で地位を向上させている。やはり、「水産資源争奪戦は続く」。来期以降の業績回復と株価は底入れが見えてくるのを待ちたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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