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2008/06/24

◆「前場に下値を調べた後、後場は底堅さを確認する」、そんな格好の日経平均株価の動きが2日続いた。日足ベースの一目均衡表では、「雲」と呼ばれる抵抗帯の上限が2日間下値サポートラインとなっている。一目均衡表では、3月17日の年初来安値1万1691円を基点とした今春以降の相場は、3月期決算の発表が本格化し始めた4月23日に「雲」の上限を上抜き、今月6日高値1万4601円まで24.9%、つまり、25%の上昇をみた後、調整色を強めている。上昇エンジンとしては、今期業績が想定を上回る予想外の強い見通しを示した企業が多くあったこと、そして、7月7日からの洞爺湖サミットを控え、燃料電池関連や太陽電池関連ニュースなどマスコミのキャンペーン的報道が連日されていることを背景に電池関連株などが連日で急騰劇を披露し、買いの回転が利き、物色対象がどんどん広がっていたこと。ドル高円安傾向にあったこと、需給面では6月第2週現在まで外国人の買い越しが続いていることなどが指摘できよう。

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◆ただ、新神戸電機(6934)、古河電池(6937)など電気・燃料電池車関連株、フェローテック(6890・ジャス)、TAIYO(6252・東2)から東京製綱(5981)までの太陽電池関連株、日製鋼(5631)など原子力発電関連株・・はよく駆け上がってくれた。が、急ピッチの上昇に対し「7月サミットを目前に控え、いつまで強気で上値を追えるか」、との高値警戒感が広がってきた。また、新日鉄(5401)、三菱重(7011)、東芝(6502)など主力株も5月〜6月前半にかけ大きく上昇した。が、ここ急失速していることへの警戒感も広がっている。当欄では、短期的には環境関連株を中心とした決算発表後の相場は、入梅とともに<分水嶺>は越えた、と見ている。

◆東京製綱は24日も363円まで買われ、19日の年初来高値を更新した。97年7月以来約11年ぶり高値であり、3月安値から2.47倍化の水準だ。発表された前週末20日の信用買い残株数はほぼ倍の311万株増の634万株と急増したが、売り残株数は大幅な増減はなかった。かつて知られた特定仕手筋が介入しているとの見方がある。テーマ性、株価水準、同社株に仕手株的な存在感があること、信用残高などを意図的な数字にするなどの手法が見られることが背景にあるが、事実関係は不明。ただ、戦法としては、仕手介入銘柄ならば、06年1月高値353円を突破したここで、いったん、調整色を強めて揺さぶることで、追随買いをふるい落とし、信用売り残株数株を積み上げることがあっても不思議ない。引き続き、注意を持ってウォチングしたい。

◆直近「強気」してきた全般相場とは無縁の不人気銘柄・サンワテクノス(8137)が、薄商いではあるが、下値を切り上げている。3月安値565円を基点に上昇基調入りし、24日は725円まで買われてきた。下値は13週線、26週線がサポートしている。今3月期連結営業利益は前期比13%増の急回復で2期ぶり最高益更新予想で、PER6倍台はいかにも評価不足。1000円でも割安感が強い。●中外炉(1964)は573円まで買われ、上値を追う展開を鮮明にさせている。強弱感が分かれるところだが、「強気」とみる。ここでは500円とび台までの突っ込みならば拾ってみたい。ただ、490円を大きく割り込むようだと、見切り売りが必要となることは留意したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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