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2012/06/12

◆政策への期待と失望のせめぎ合いが続いている。スペインが9日に発表したスペインの銀行救済にかかる1000億ユーロ(1兆円)の支援要請を聞いて、「スペイン金融システム不安が後退した」との市況解説があったが、本気でそう思った投資家はいなかったようだ。「ギリシャ発の欧州金融危機は再選挙後どう展開するのか」読めないなか、当局の発表で市場が乱高下するのを喝采するのはヘッジファンドだ。17日にはギリシャの再選挙が控えており、砂糖をまぶしたような政府声明やコメントを手がかりに「買い」が入るのを喜んできたのは、戻りを売りたいヘッジファンドだけであろう。東京では、前号で記したように、6月に入り、値上がり、値下がり銘柄数がどちらかに偏る乱高下状況が続いており、ヘッジファンドにはお誂えの局面となっている。■この日午後、IMF(世界通貨基金)が対日審査協議後に発表した声明で、「中期的な観点から、円の為替レートは幾分過大評価されている」と指摘したと伝わり、日経平均は13時過ぎに8575円まで下げ幅を縮小する場面があった。目下の株価は為替次第であり、為替は欧州金融不安次第、世界経済後退懸念が強まるなか、引き続き、欧州発の政策、声明発表を受けた一喜一憂、乱高下が続く?

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◆内需絡み株が引き続き当欄のメインであるが、小売・外食の5月度既存店売上高の大幅落ち込みは、前年に比べ土日が各1日づつ少ない曜日特性の結果とはいうものの気になる。●マクドナルド(2702)は8日に2309円を付け、4月の05年6月以来の高値2313円、5月戻り高値2306円に続く3つ目のヤマをつくった。同日発表の5月度既存店売上高苦戦が勢いを削いだのだが、中期相場を見る週足、長期相場を診る月足ベースとも08年10月のリーマン・ショック時に記録した上場来安値1291円を大底とした中長期線上の上昇基調にある。同社の店舗政策の大転換が進行中であることが期待感を生む。二段階の消費税引き上げ方向にあることは消費関連セクターにはアゲインストの風となるが、薄型テレビの売れ行きが悲惨な状況にあるヤマダ電(9831)など家電量販店業界と比較すれば、3%、5%と二度経験しており、89年4月の3%の消費税導入時よりも反動は小さいとみる。80年代前半の韓国で初めて入った喫茶店で「消費税を払うのよ」と言われ、随分と高いコーヒー代と思ったものだが、今や、日常生活レベルでは5%の消費税がかかっていることを忘れた感もある(もっとも、車、住宅などは・・)。

◆九州中心にドラッグストアをチェーン展開するコスモス薬品(3349)は7月13日に前5月期決算と今期業績予想を発表する予定だ。2ケタ増収増益基調がなお続くか?どうかが注目点。ただ、株価はリーマン・ショック時の08年10月安値900円を基点とした上昇基調にあるものの、現在は、05年11月に付けた上値のヒゲの部分をこれからよじ登ろうという水準。ここからは、基本を「利益確定売り」とする。●ウェザニュズ(4825)は6月29日に5月期決算を発表する予定。前12年5月期推定連結経常利益は、会社予想の前期比16%増の30億円に対し市場コンセンサスは28.65億円で10.6%増と低い。が、2ケタ増は維持する見通し。野村では5月後半のリポートで、中期的に業績上ぶれる可能性が高いとし、新規「買い」、目標株価3100円としている・・。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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