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2010/05/14

◆5月第2週末、日経平均は前日比158円安の1万462円と反落。ポルトガルの赤字削減策発表、スペインの財政緊縮政策に対して労組がストライキ呼びかけた、ことから欧州経済成長への懸念が広がりユーロが続落した。米国では、13日、検察当局が住宅ローン担保証券(MBS)取引に絡み6社を調査するとの報道もあって金融株が下げ、ハイテク株の一角が下落し、NYダウは110ドル強下げた。東京外為市場でも円が対ユーロ、ドルで円高に進んだこともあり、精密機器や電気機器、輸送用機器など輸出関連株が全般下げをリードした。今週5日間の「外資系証券朝寄り付き前の成行き注況」によれば、売買シェアの6割を占める海外勢は、売り株数1億1100万株に対し買いは9080万株、差し引き2020万株の2週連続売り越しとなった。

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◆しかし、日経平均は昨秋来、日足ベースでは200日移動平均線に、週足では52週線に下支えられた下値切り上げチャートを描いている。月足ベースでは、3月に24カ月線を上抜き、4、5月と52週線の上で推移している。これら、下値切り上げ型チャートが大きく崩れない限り、総論、「押し目買いで対処すべき」だ。個別銘柄でも同様だ。13日現在、日経225種の1株利益は520.1円まで上昇し、PERは20.4倍まで下がってきた。きょうから来週にかけての決算発表で、PERは20倍を割ることになろう。企業業績を崩しかねない厳しい状況が襲ってこない限り、それなりの説明が可能な現在水準から、大きく下振れた水準は「買い」となるはずだ。

◆出来高トップ10で、9日連続1位となっているみずほFG(8411)は2億1870万株と急増した。100円台の株価とあって、今週は5日間中3日が2億株超の大商いだ。この日引け後には、株式募集の発行登録8000億円を発表した。が、少なくとも2年半以上52週移動平均線が上値ネックラインとなってきた。「買え」とはいえない。

◆DOWA(5714)は直近で200日線を割り込んだ状態が続いている。08年7月から200日が下値サポートラインとなってきた。前11年3月期に営業利益以下が黒字転換し、今期は大幅増益見通しにあり、予想1株利益29円に対し予想PERは17倍台、貸借倍率は2.8倍と悪いわけではない。ポイントは中国での家電リサイクルなど金属の再資源化を本格展開する方向にあること。環境リサイクル事業の拡大が同社のカギ。あとは、チャート好転を待つだけ。ウォッチングを開始。●アリアケジャパン(2815)が29円高の1461円と続伸。13日に付けた年初来高値に顔合わせする場面があったが、高値更新は来週にお預け・・。13日前場に発表した前10年3月期連結経常利益が6割強の増益で着地したうえ、今期も前期比38%増と大幅増益見通しを示したことから、前日にほぼ5カ月ぶり高値を付けた。特に、前期第4四半期売上高が前年同期比20%増と大幅に増加したことに注目したい。単体が2ケタ伸張したうえ、海外子会社の好調で売上高の連単差が51.5%増となったことが寄与した。欧州は依然低調だが、国内、米国、中国・台湾の売上げ拡大の本格化は同社の今期業績予想の達成確度を高めるとのアナリストの指摘もあった。出来高は前日のほぼ倍で昨年8月3日以来の高水準。大引けで23週間ぶりに52週移動平均線を上回り、大幅週足陽線を引いた。期待したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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