2013/05/09
◆日経平均は前日比94円安の1万4181円と3日ぶりに反落。8日の海外市場ではNYダウ、ドイツDAX指数とも連日で最高値を更新した。また、円は対ドルで横ばい、対ユーロで反落と、東京市場には追い風・・。そして、前日に日本企業の最大の稼ぎ頭であるトヨタ(7203)が前日に発表した前2013年3月期連結税引き前利益(日本式は経常利益)は前の期比3.2倍増1兆4036億円と大幅伸張予想だった。続く、今14年3月期も前期比34.6%増の1兆8900億円と2期連続で大幅に拡大する見通しだった。しかも、その数字は、前提為替が1ドル=90円(前期は83円)、1ユーロ120円(同107円)と現水準からみればかなり慎重予想だ。朝方からトヨタ株には買いが先行、前場寄り付き直後には130円高の5970円と年初来高値を更新し、08年2月以来5年3カ月ぶりの6000円台回復が目前となった。つれて、全般も買いが先行、日経平均も続伸展開となった。しかし、前日に日経平均は5年ぶりの高値を付けたばかり。後場に入り、トヨタが上げ幅を縮小、そして、下げに転じた頃から、全体相場にも利益確定売りが広がっていった。そして、日経平均も下げに転じ、下げ幅を拡大していった。
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◆業種別値下がり率で2位となったのは前日に値下がり率1位となった不動産で、約3%の急落だ。「アベミノクス」による金融緩和、地価上昇期待で1番人気となってきたのだから、下げも男性的になるのも当然ではある。4位にも含み資産関連人気となってきた倉庫・運輸が2.5%安で入った。ただ、基本的には世界経済の成長加速が望みにくいなか、日米欧の金融緩和政策を変更するには条件が整いにくいとの市場認識が多数派。昨秋からの大暴騰相場とあって、調整は当然予想されていたこと。どのような調整場面となるのか?決算発表が今しばらく続くなか、好決算銘柄のなかから新たな相場に入っていく銘柄も現れそうだ。調整場面のなかで、自分のポートフォリオ銘柄から動意付くものがあるかをチェックしよう。■当欄注目株の片倉工(3001)は昨年11月安値653円からこの日の年初来高値1880円と約2.9倍化。13、26週線との上方かい離幅は大きい。ここでは、いったん、小さな値幅は無視して利益確定売りをしたい。●日銀(8301)は3.05万円から3月高値9.4万円と3倍化超、13週線から6万円台キープのなかで調整が続くかどうかがポイント。これを割り込むと調整期間は長くなりそうだ。三角保ち合いを形成する方向に発展できればOKなのだが、13週線割れ場面はまず「売り」たい。波乱の匂いが強まった時は少々の損失ならば、手を空けるために、売却すべきである、というのが過去の経験則だから・・。