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2006/05/18

◆なさけなくもすってんころりである。予測のなかにあらゆるリスクを想定する必要がある。東京やアジアの株式関係者が、毎朝最初におこなうのは米株式・商品・資本市場の結果を知ることであろう。きのう5月17日の東京・アジア市場の戻りは完璧だった。反発のサインが出た。しかし、そのあとの米国株、欧州株の大幅安がそれを拒んだ。インフレ、金利上昇懸念が景気腰折れ懸念に広がったのだ。結果、前日とは逆方向に走った。アジア主要国の株式市場16国・地域中で上げたのはわずか0.09%上昇のスリランカ1市場のみ。インドの代表指数などは6.76%も下げている。東京市場は、銀行、不動産株など金利・景気敏感株に売りが殺到。前場後半は1万5914円まで下げるなど1万6000円台割れで推移した。後場、ようやく1万6000円台を回復し、終った。■懸念を覚えるのは、筆者がこれまで平均株価や個別株の下値サポートラインとしてきた75日移動平均線をいずれも割り込んできたこと。75日線割れは2月20日、3月8日前後に続く今年3度目のことだが、マイナスカイ離は今回が最大であり、きょうで4日連続となる。週足ベースで言えば日々線が26週線を割り込んで終ったのは、昨年の春、今回の相場が始まって以降初めてのことだ。■もっとも、テクニカル面では買いを示唆する指標は多い。また、米国株やアジア株が今年高値を付けたのは、日本株が4月に高値を付けたあと1カ月過ぎてからだ。日柄整理には未了感があるが、値幅調整は1万6000円割れで完了したといえる。1カ月早く高値をつけた日本株が世界に先行して上げていっても不思議はない。

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◆ただ、世界の投資マネーの流れがどう変わるかは不明。世界のカネの流れは長年続いてきた日本のゼロ金利を当たり前として動いてきた。16日付け本欄でふれたように、「ゼロ金利の日本円を買い、米国債券市場で転がし、国際商品市場するなど世界のマーケットで投資資金が駆け巡るパターンがあった」。16日の非鉄・貴金属、原油、穀物大幅下落は世界の金の流れが変わりつつあることを垣間見せた最初の予兆なのかもしれない。引き続き商品市況の動向は要チェック。

◆また、株価が東京から反発するとしても、亀裂が走った後は物色の流れが変わることが多い。それを探る必要がある。もちろん、新興市場を筆頭に大きく下げてきただけに、最初の戻りは、全面高商状となり、物色の方向は見えにくい。が、次ぎの上昇局面では、中心セクターがなにかがはっきり見えてくるはずだ。最初の波動で乗り遅れてもあわてる必要はない。以前から本欄注目のバイオベンチャー株は赤字継続を売り材料視される状況では自力浮上は厳しい。携帯電話関連株も厳しく叩かれており、上昇のきっかけが見えてこない。市場体温計銘柄も入れ替えが必要かも知れない。が、既存の銘柄が引き続き存在感を持っていることに違いはない。また、◎中長期値幅取り銘柄としているイノテック(9880・ジャス)は1500円台に買われたあと下げ止まらないが1244円にある75日線前後を下値の目安としたい。◎岡谷鋼機(7485・名)もじり安商状がとまらないが、中勢買い場を探したい。◎好業績・割安・好チャートの兼松エレク(8096)を新たにチェック銘柄とし、買い場を探したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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