2007/08/29
◆「上昇率は小さいが、下落率は他市場に比べ大きい」というのが、昨年11月下旬<TOPIX安値1526ポイント>以降から今年7月第1週<同高値1796>まで、そして、7月第1週から8月17日<同安値1479>の日本の株価指数騰落率。上昇率は17.7%に留まる一方、下落率は17.7%に及ぶ。「行って来い」以下の数値に下げ、昨年7月安値1473以来1年ぶり水準に逆戻りした。8月最終週28日には半日商いだった今年大発会を除く最低レベルの売買代金1.88兆円(出来高は13.31億株)に落ち込んだ。■米サブプライム問題に伴う信用収縮懸念の広がり、米住宅不況から消費不振そして景気の落ち込みが懸念された上、円借りトレードの巻き戻しに伴う円高進行による輸出企業を中心とする企業業績の増額期待の後退、市場の売買シェアの半分を占める海外投資家の買い越し(今年1月〜7月で7.39兆円の買い越し)から売りへの転換による需給の悪化・・などの懸念材料が並ぶ。テクニカル面でも、8月に入り、日経平均、TOPIとも<超長期線の24カ月移動平均線を相次いで下回り、03年3〜4月に7603円、770ポイントで大底を打ち長期上昇基調に転じた両指数に赤信号>がともった。
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◆上記パターンとは違う業種は、銀行、証券、その他金融、小売、建設、紙・パル、空運。天井は昨年春であり、既に1年半近い調整が続いている。小売、紙・パル以外は規制業種というのが難点。長期的には、このなかから、本欄期待は銀行セクターとTOB合戦など再編の嵐が吹き荒れたときの消費者金融などその他金融セクター、そして、消費関連株の一角を占める小売セクターからの新たな胎動が期待される。
◆当面は、テクニカル面を重要視つつ、業績上ブレ余地のある銘柄に注目しつつ、底入れパターンを描き始めた銘柄発掘に注力したい。■原子力発電関連をはじめとする環境関連株は引き続きテクニカル重視。本欄最注目のトウアバルブ(6466・東2)がこの調整局面で75日移動平均線を引き続き下値サポートラインとするか、全般相場に押されて26週線の46万円台まで退き、次の出番を待つのか、主戦では東芝(6502)、日製鋼(5631)、筆者本年注目株東芝プラシス(1983)がそれぞれ26週線を引き続き下値ポイントとするか。26週線割れとなった帝国電機(6333)がどういう形で反騰に転じるのかなどに注目している。■上値を攻めきれるかどうか注目は、微妙な位置にある安川電(6506)。今年高値1570円は2000年高値に10円未達。しかし、下値は頑強で、昨年2月以来の上値関門をにらんだまま。●排ガス浄化装置で人気のガイシ(5333)がインドでの風力発電事業進出期待でここから再注目。
◆MUTOH(7999)は続落、日電工(5563)は連日の新値追いとすっかり明暗が分かれてしまった。火曜日前場までは揃って高値を追っていたが、MUTOHは売り長ではあるが信用売り残株は減少した。一方、日電工は28日現在の信用需給は売り1053万株(24日比567万株増)に対し買いは1068万株(217万株増)と買い長から一挙にひっ迫状態化した。需給面の良さが6月高値更新、90年6月以来17年ぶり4ケタ相場挑戦に拍車をかけるか。高値更新でやれやれの売りが出る感じはしないが、さて・・。