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2012/11/01

◆11月初めの東京市場で、日経平均は前日比18円高の8946円と続伸スタート。前日の取引終了後。パナソニック(6752)は今13年3月期純損益予想を7650億円の大幅赤字に修正、前期並みの大幅赤字となり無配とすると発表。株価は100円安の414円ストップ安で寄り付いて38年ぶり安値に落ち込み、ストップ安比例配分で、なお190万株の売り注文を残して終了。市場は冷やされた。しかし、この日発表の中国10月製造業PMI(購買担当者指数=資材購買担当者にアンケートしたデータを下に算出した指標。製造業全般の受注予測に必要なデータで、50を超えると景気は拡大、割り込むと後退を示す)が3カ月ぶりに50を上回ったことで中国経済の改善が見えた。そして、円が対ドルで80円台をつけるなど続落したことも後押ししプラス圏を維持した。

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◆ハリケーン「サンディ」の影響で2日間の休場が明けたNYダウは小幅反落。方向感のはっきりしない模様眺め気分の強い動きとなった。もっとも、欧州市場では、欧州各国がギリシャに対し救済資金の受取を継続するためには一段の歳出削減が必要だと迫ったことを受けギリシャ株は大幅安で5日続落。一方、債務懸念のスペイン、イタリアが続伸。そんななか英独仏など中核市場は反落した。

◆パナソニック・ショックに対し、「1950年5月期以来63年ぶり無配転落だが、早急な打開策が不可欠。今回の巨額損失でも出尽くし感は無い」と担当証券アナリストは厳しい指摘をしたという。さらに、事業再構築、32万人の従業員の大胆なリストラも不可欠・・、時間は待ってはくれないという。ただ、この日、自動車、機械の輸出関連セクター(TOPIX株価指数)は続伸した。電気機器関連メーカーと比較し、なお、世界市場で両分野では日本の優位性を保っていることが背景にある・・。

◆さて、前日、菱地所(8802)が発表した9月中間期経常利益は前年同期比43.7%増の460億円に拡大、通期計画の1050億円に対する進捗率は過去5年平均の38.9%を上回り43.9%に達した。株価も1607円まであり21円高の1600円引け。10月23日の1616円は東日本大震災発生日の昨年3月11日以来の株価だった。押し目をはあって当然だが、上値を目指す相場が期待できよう。そして、三井不(8801)がこの日取引終了後発表した9月中間連結経常利益は年同期比31.1%増の470億円だった。ただ、通期計画である1090億円に対する進捗率は43.2%だったがこれは問題視されないだろうが、過去5年間の平均である47.7%を下回ったことで、市場はどう判断する?ちなみに、不動産指数は17ポイント高の903と年初来高値を更新し、東日本大震災発生直前の11年3月9日以来の高値を付けた。都心5区などで大規模再開発が続いており、「9月末時点の都心ビジネス地区5区の平均空室率は前月比0.27%下がり8.90%と3カ月連続で低下。10カ月ぶりに8%台後半まで改善してきた」(三鬼商事)。金融緩和の進行も後押しする。住友不(8830)と併せ突っ込めば拾いたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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