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2011/06/29

◆日経平均は前日比148円高の9797円と続伸。28日の海外市場では、ギリシャの財政計画の成立を楽観視したうえ、利上げ接近が意識されたユーロが上昇、債務過剰国を含めた欧州株が続伸し、米株は続急伸した。そして、円が海外で続落した流れから東京外為市場でも対ユーロで続急落するなど軟調に推移し、輸出関連株の見直し買いが流入した。朝方に経済産業省が発表した日本の「5月鉱工業生産指数」は前月比5.7%増と高い伸びとなり3月大震災後の回復が2カ月続いた。3月に大きく落ち込んだのだから、前月比で上昇するのは当たり前のことだが・・。東日本大震災によりサプライスチェーン(供給網)が寸断されていたが、急速に回復してきたことが背景といい、経産省では生産基調は大震災の影響から回復しつつあると判断、5月の上昇基調判断を前月比上方修正した。ただ、米国、国内とも景気をリードする機関車は見当たらない。また、日米株とも足元相場は、5月高値後に大きく下げてきたことに対するリバウンド相場と見るべきか。もちろん、ギリシャなど財政危機問題が解消に向かう道筋が見えたころには、NYダウは5月高値1万2876ドルを超えている?

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◆当欄は、景気敏感株ではなく、ディフェンシブストックを中心に紹介してきた。その分、直近相場では苦戦している。米国や中国、ブラジルなど新興国の景気が再び、しっかりし始めた時はともかく、南欧の財政問題が少々好転したレベルでは、ディフェンシブストックをポートフォリオの中核に据え続けたい。確かに、直近まで上げていた分、利益確定売りが出やすく、景気敏感株に乗り換えられやい。もちろん、注目セクターに輸出・景気敏感株もストックしておりウォッチングを続けてきた。しかし、内需関連セクターの銘柄が多かったことは前号まで紹介してきた銘柄群を見ればすぐわかるはず。そして、26週移動平均線や52週線前後で踏みとどまり、中勢上昇基調に異変が生じない限り、判断を「売り」とする必要はないとみている。●後発医薬品が伸び再生医療の進捗が期待される科研薬(4521)は3月の全般大暴落時安値827円から今月高値1195円まで4割強上げた。26週線は1057円、52週線は982円水準にあり、この水準でとどまれば悲観は必要ないとみる。●介護付き有料老人ホームに加え、入居金などが不用で、年金の範囲内でまかなえる費用での介護付き高齢者専用賃貸住宅を展開するメッセージ(2400)は6月安値で26週線にタッチしたが、依然、26、52週線沿いの上昇基調は不変であり、ゆっくりと6月の分割落ち後の高値更新を目指す格好となっている。

◆景気敏感株では、ナブテスコ(6268)が切り返し、7週間ぶりの26週線回復が目前だ。ファナック(6954)はホームページを閉鎖したままだが、この日の日経新聞が稲葉相談役名誉会長は「3年後に連結売上高1兆円」の目標を設定したと語ったと報じた。中国は工場の自動化が進み最大の市場になるとし、ロボットや工作機械の生産能力を2倍に引き上げると伝えた。ナブテスコはロボットの関節を動かす精密減速機などを手がけ、プレイバックロボット関節用では世界シェア約6割を有している。●また、浜松ホトニクス(6965)は3月の暴落があっても09年1月安値を基点とした26、52週線沿いの上昇基調は崩れなかった。3900円台にある上値の壁へのトライが続きそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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