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2007/02/27

◆前場寄り付き、新日鉄(5401)は13円高の854円で一時858円の89年11月以来の高値をつけ、5円安の836円で大引けとなった。日立(6501)は変わらずの843円で寄り付き、新日鉄に11円のリードを許したが、終値は17円高の860円と反発し、逆に24円引き離した。この日、日経平均は10時26分に57円高の1万8272円まで上昇した後、下げに転じ、13時31分には142円安の1万8073円まで叩かれ、結局、96円安の1万8119円で終った。何が起きた?全般相場は市場体温計である新日鉄と同じ波動を描いた。前日、初めて3000ポイントに乗せたばかりの中国・上海総合指数が268ポイント、8.84%の10年ぶり大幅下落でこの日は悪役となった。「中国政府が26日、違法な株式売却など株式市場の違法行為取締りへ、特別作業部会を承認したと発表した」ことが引き金。インド・ムンバイSENSEX30種は1.25%下落し、前日過去最高値を更新したばかりの韓国・総合株価指数も1.05%下げるなど、アジア17市場は3勝(台湾、ベトナム、バングラデシュ)14敗で終った。いずれの国も高値警戒感が強まっていたところに、上海の暴落が襲ったもの。東京市場は鉄鋼株、不動産株、資源・非鉄・素材株など牽引役が下げを主導した。気になるのは、大手銀行株の軟調ぶり。本欄注目の三菱UFJFG(8306)は9時18分以降、149万円〜150万円の間を往来して終った。三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)を合わせた大手3行は昨年4月、つまり、デフレ脱却期待を背景に付けた上場来高値以降の上値切り下げパターンを脱し切れておらず、下支えする24カ月移動平均線との攻防戦が近いことを示唆している。筆者は、例えば三菱UFJFGは136万円〜142万円の下値サポートラインを割り込む理由は乏しいと見ている。<銀行セクターが買いきれず下落基調が続く状況ならば、日経平均の2万円台乗せやTOPIXの2000ポイント回復もない>と見ている。なお、中国はオーバーヒートしただけで、深い傷にはならないと見ている。とはいえ、「明るい平家は滅びる」というから、夢中になった分、厳しい状況があっても不思議ない。■日経平均は、今月7日に1万7199円の直近安値を付けた後、前日の2000年5月以来の高値1万8300円まで1100円、6.4%上昇したのだから、調整期入りしても不思議はない。ただ、したたかな相場は引き続き、驚きの声を上げさせようが・・。そのひとつが、この日、逆行高した旧世代の代表的電機株であるプラズマテレビの松下(6752)、ゲーム機PS3の3月末世界出荷600万台の目標達成が期待できそうなソニー(6758)、上場子会社群に注目すべき日立(6501)などだ。

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◆筆者今年の公式注目株は東芝(6502)の原子力事業推進を追い風とする東芝プラシス(1983)だが、昨年10月安値524円を7月安値に対する二番底として力強い展開が続いている。目先は、昨年3〜4月高値の887円水準が目標だが、先は長い。●前日紹介の武田(4502)は急騰し連日で昨年来高値を更新した。ディフェンシブセクターにあり、世界薬品株の再編劇の一環として引き続き1万円台乗せを目指したい。●個人的にはロート薬(4527・大)に引き続き期待している。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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