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2015/05/21

◆岩谷産業(8088)が急反落した。週明け18日には、16日付日本経済新聞が、「燃料電池車(FCV)に燃料の水素を充填する水素スタンドの運営で連携する」と報じられたことが材料視され、4日ぶりに急反発し、前日は843円と4月17日以来の水準に上げたが、この日は利益確定売りに続落・・。きょうの当欄は、岩谷産一本!筆者には山・高原巡りしていた時代にガスボンベなどで馴染んでいた古馴染の銘柄だが、この日、改めて、同社の水素自動車開発について(13日付けの)日経サイトをチェックしたことで目が開かれた!?<「コンロの岩谷」がなぜ水素?日本発、水素産業ピラミッドを目指して 牧野明次CEOが創業者から受け継いだ執念>とした表題だ。「日本発の水素産業のピラミッド」を目指すとした執念の連鎖を当欄は再認識!再度、ここから、燃料電池車関連開発・市場拡大を見ていくことに。同時に、トヨタ(7203)も引き続きウォッチングしていこう。■16日付日本経済新聞では、「各社のマニュアルや不具合情報を共有し、効率的な施設運営や設備の簡略化につなげる」としており、18日には「これにより、水素スタンド設置・運営コストの引き下げにつながれば、水素スタンド展開で業界内で先行する岩谷産へのメリットは大きいとの見方が強く、買いにつながった」との指摘もあった。 日経サイトによれば、牧野明次会長兼CEOが<「水素の岩谷」という認識が広まるのはありがたいことですが、それと利益が出るというのは別物ですから。今は先行投資の段階。利益は出ないが、誰かが先陣を切らなければならないということです>と創業者から受け継いだ執念を語り、そして、<燃料電池車は全然採算が合わない、FCV向け水素ステーションだけで見ると採算が合うまでに10年以上はかかる・・。「近い将来にFCVが100万〜200万台普及して、ステーションを利用するFCVが相当数増えない限り、ペイしない計算です」>とあり、それでも、次世代に向けた開発持続を決定した同社トップの「意志」を評価したい!

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◆牧野CEOは、「水素に関してワンストップでサービスを提供できる唯一の企業だと自負している」と語り、そうした状況下で水素ステーションを20カ所も整備する計画だから、端から見れば過剰な投資に映るかもしれない。しかし、国や自治体が水素ステーションに補助金を出しており、都内では1カ所当たり2億円程度で建設できます。14年度補正予算で運営費に対する補助金も始まり、そこまで大きな持ち出しにはならない。もっとも、いつまでも補助金に頼るわけにはいかない。補助が出る間になんとか独り立ちしたい。そのためには、建設費のコストダウンとFCV普及が必要なのです。現時点では、水素社会の扉はほんの少しだけ開いた状態であり、我々が水素ステーションを建設したり関連機器の開発をするだけでは到底足りないと言い、「他社にもどんどん参入してほしい。水素の製造や、水素を活用する商品の開発。技術を競い合わなければ本当の意味で、水素社会は到来しないでしょう」と語っていた。 なお、同社株価は02年の最安値139円を大底とし、08年10月安値163円を二番底とした長期上昇トレンドにあり、昨年11月高値892円は1991年11月以来23年ぶり高値だった。そして、11年3月に再度200円割れを見て、その後ここまで、26週線、52週線沿いの上昇基調を刻んできた。投資先行もあって、業績は1期毎に「山」、「谷」を刻む格好ながら、1991年以来の4ケタ台回復を目指す格好だ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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