2007/09/13
◆13日の東京市場は、NYダウ、ナスダック総合指数安とNY原油先物の80ドル台乗せを受け、終日値下がり銘柄数の多い、モミ合う展開となった。TOPIX業種別株価は指数では、銀行、その他金融、金属製品、電気機器の下げが目立った。一方、国際帝石HDや三井鉱、商社株やなどの鉱業、石油・石炭、資源関連株などが上げた。ただ、前日の安倍首相の党総裁辞任発表による戸惑いは強く上値を追う動きは乏しかった。■アジア15市場星取表は10勝4敗1休場で、主要市場では台湾、シンガポールが下げたが、他は上昇し、その後、欧州の3日続伸、米株の急騰につながっている。
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◆さて、海外投資家の日本株買いの背景には、小泉「構造改革」路線による経済成長を期待した買いがあった。しかし、先の参院選で自民党1人区が惨敗したことを受け、すっかり方向転換。自民党内に反「構造改革」の動きが強まり、地方への金ばら撒き主義に舵取りしそうだと読まれ、折からの世界同時株安もあって、8月の日本株大量売り越しにつながった。また、9月4日の対内直接投資に関する政令の改正が決議され、外国投資規制が強化されることも懸念された。景気に関してはそれなりの線で回復が継続しており、08年3月期企業業績予想も好調予想にある。
◆11日の安倍首相辞任のニュースで、麻生自民党幹事長の新総裁観測で買われたのは、まんだらけ(2652・マザ)などサブカルチャー関連株(「萌え」関連株)と福岡県関連株。三井鉱山(3315)は外資系証券が新規に投資判断「買い」でカバレッジを開始した石炭関連+麻生関連の低位思惑株としてこの日も人気が持続したもの。■しかし、12日付け夕刊以降は、福田康夫元官房長官が数でも人気でも勝っていることが中心の報道となっている。そうなると、小泉構造改革路線は方向転換が余儀なくされよう。もっとも誰がなっても、国会運営は困難を極めそうだ。結果、解散・総選挙にまい進する選挙管理内閣程度の火の粉を拾う総裁・首相になる可能性が大だ。
◆そんな状況に加え、右肩下がりの軟調チャート銘柄が続出している東京市場・新興市場の投資も厳しいものがある。こんな時は、長期買い推奨株をチェックするのもいい。●03年秋の100円台から出世し石油プラントメンテナンスの新興プランテック(6379)は6月高値1848円からの調整を200日移動平均線が下支えしこの日は99円高の1647円まで買われた。石油価格80ドル時代がもう一段上の業績、相場へと押し上げると見てよさそうだ。●島津製(7701)は02年10月が基点、PER割安感が乏しいのが難点だが、200日移動平均線が下支えした上昇基調は不変。●浜松ホト(6965)は今月、24カ月線を割り込むピンチを迎えた。こちらは、当面様子見だが、前2社株は押し目買い継続とする。
◆トウアバルブ(6466・東2)など原子力関連株はこれからの長期注目株。山あり谷ありの展開が予想されるが、新興プラも島津も同じ道を通ってきた。●団塊世代定年時代入りで注目の消費関連銘柄タムロン(7740)は07年の国内、世界デジカメ出荷台数が大幅増額修正された恩恵を譲受する。ゴルフ場運営のPGGIH(2466)も中期買い銘柄を継続する。