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2010/07/01

◆7月1日、2010年下半期スタートの東京株式市場で日経平均は前日比191円安の9191円と5日続落し、連日の年初来安値更新と厳しい状況に変わりなかった。TOPIXは8連敗だ。前場寄り付き前に発表された6月調査の日銀「短観」で、大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス1と2年ぶりにプラスに転じた。しかし、先行きについては、小幅改善にとどまった。しかも、設備投資計画も力不足と見られた。そして、海外では、欧州、米国で発表された経済関連指標の悪化が嫌気され、欧米株は下落。中国の6月製造業購買担当者景気指数(PMI)の2カ月連続悪化も重なり、朝方から売り先行の展開となった。日本株だけでなく、上海総合指数が1%超下げるなどアジア株はそろって大幅続落した。■30日、米格付け会社がスペインの国債格付けを引き下げの方向で見直すと発表した。これで、欧州中央銀行(ECB)が実施した資金供給オペに対し金融機関の応札額が予想を下回ったことで欧州金融機関の資金繰り不安が和らぐとの見方が吹き飛んだ。米国では、民間調査による6月雇用者数の増加幅が市場予想に届かなかったことから、2日発表の雇用統計への期待感がやや後退したほか、1日発表のISM製造業景況感指数を見たいと様子見気分も強かった。

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◆市場筋推計の「外資系証券朝寄り付き前の成行き注文状況」によれば、売り注文株数が2180万株、買い注文株数は1590万株にとどまり、差し引き590万株の8日連続売り越しだった。この日、引け後に発表された6月21日−25日の3市場の投資部門別売買状況によれば、外国人投資家は1542億円の売り越し(前週は744億円の買い越し)に転じた。25日付けの当欄で記した同週の市場推計の数字で、外国証券成行き注文は2970万株の売り越しだった。今週はといえば、きょうまでの4日間で差し引き4020万株売り越しとなっている!!■市場エネルギーが乏しい状況に何の変化兆しも見られない。下期入りのきょうも、前日比1億126万株減の17億6171万株、売買代金は1196億円減の1兆2167億円と前日比減少。出来高はともかく、売買代金は年初来最低水準にとどまっており、活気のない水準から浮上する気配はまるで感じられない。時価総額は280兆9718億円と大幅かつ8日連続の減少となった。これで、日経平均が昨年11月27日安値の9076円を割り込むとなれば、09年3月安値を二番底とした中勢上昇相場は終焉する。それとも、一気の下げが、反転相場のきっかけとなる?

◆原発関連株で長期上昇基調にある銘柄として注目してきた東芝プラ(1983)が一気に200日線を割り込んだ。ここまで底堅い動きが続いてきたが、今週の週足は長大陰線で52週線、26週線から下放れる可能性が大となっている。きょうが月初めなのにもう24カ月移動平均線を割る盤面があるなど、厳しい局面を迎えた。ここで、02年2月の上場来安値177円を基点とした長期上昇相場が持続できるか、中勢調整局面入りとなるかウォッチングを続けたい。●先に紹介の雪国まいたけ(1378)は13週線割れで下値を試す動きとなっている。が、業容拡大期の予想PER12倍台銘柄として、良い買い場到来を待ちたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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