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2015/11/27

◆日経平均株価は前日比96円83銭(0.49%)高の1万9944円41銭と反発し、8月20日以来ほぼ3ヵ月ぶりの高値水準に戻したきた。欧米株高、対ドルでの円反落展開など投資家心理は改善しているうえ、補正予算等の政策期待も後押しされ、朝方から買いが先行した。前後場に何度か2万円にあと10円未満に迫ったものの、利益確定売りに上値が抑えられ、引けにかけ高値もみ合いからやや上げ幅を縮小する格好となった。

 この日、財務省が発表した「対外及び対内証券売買契約などの状況」によれば、海外投資家の15〜21日の買越額は前週比45%減と大幅に減小した。海外ヘッジファンドは11月〜12月が決算月だが、その後、従来の「円売り・株買い」が終わる可能性もある。引き続き、海外株式・商品・為替市場を横目に、企業の業績と株価水準を考慮して臨みたい。

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◆住友鉱(5713)は1412円と3日続伸。一時、58円高の1441円と先々週の大幅安の壁の6割弱を埋める場面があった。16日には非鉄金属市況安から1年ヵ月ぶり安値水準に下げていたが、26日のLME銅は急反発し23日の年初来安値から上。ニッケル先物も大幅高で3連騰となったことが突っ込み買いなどを誘ったようだ。ただ、上値を窺うには不安材もある。銅、ニッケル価格下落で収益が悪化、円の強含み展開も上値の重しとなる。

 11日の今上期決算発表時には、パソコン向け素材の落ち込み、銅など在庫評価損の発生が響き通期連結経常利益予想を従来予想比42.6%減の850億円(前期比では51.2%減)と減額修正し、配当も17円減配し1株37円に引き下げている。米国の12月利上げ予定に加え、チリ・シエラゴルダ銅鉱山での生産トラブル発生から12月に予定しているフル稼働が遅れる可能性があるとの報道も懸念材料となっている・・。週足ベースでは、6月以降、中・長期線が上値ネックラインとなっており、当欄も、非鉄金属市況回復基調入りまで「弱気」に変更した。W底打ちを待ちたい。

◆前日は後場に上げ幅を縮小したCYBERDYNE(7779)だが、この日は売り先行も、1900円台でもみ合う展開となり、46円高の1915円と3日続伸した。週明けは?2000円目前で全般波乱となれば、10月後半からの上げ相場の反動急落場面があっても不思議はない。が、以外や続伸展開もある!?ここは、「全般波乱場面での突っ込みを買う」の姿勢でウォッチングを続けたい。

◆寿スピリッツ(2222)が5110円と3日ぶりに1994年上場以来最高値を更新した。朝方には24日に付けた最高値を更新し、後場に過去最高値をさらに上乗せした。終値も5060円と5000円台となった。11月4日に発表した2016年3月期第2四半期累計(4-9月)連結経常利益は前年同期比81.0%増の13億円と大幅拡大となり通期計画27億円に対する進捗率は5年平均を大幅に上回る48.3%に達した。
 第2四半期累計期間売上高、営業利益、経常利益、純利益そろって過去最高を更新したことから、値動きの軽さもあり買い誘ったようだ。

 24日に同期の決算説明会が行われており、見直し買いが膨らんだ格好だ。同社株は、10月後半から大きく株価水準を切り上げており、翌8日にかけて買われていたことから、その後は当面の利益を確定する売りに高値もみ合いとなっていた。

 同社では、消費増税の影響は一巡。6年ぶりの9月シルバーウィークなどの外部環境改善が追い風となったうえ、首都圏エリアでの積極的イベント開催、主力商品販売強化など積極的施策を遂行したことが売上高増に寄与し、増収効果に加え製造採算改善や経費の効率的使用も利益を押し上げたという。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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