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2012/09/03

◆12年度上半期最終月となる9月初めの東京株式市場で、日経平均株価は前週末比56円安の8783円と3日続落、8月6日以来の8800円割れでスタートした。前週末31日、バーナンキ米FRB議長は講演で「成長を促進し失業を減少させるためには、必要に応じて追加緩和策を講じる」と先のFOMCの声明での言葉を踏襲。想定の線だったが、米国市場は「金融緩和期待がつながった」と買いが先行し反発した。しかし、3日の米国市場が祝日休場となるうえ、円が対ドルで続伸。中国では、1日発表の8月製造業PMIが景気判断の分かれ目である50割れとなったことも重なり海外勢の動きは乏しく、出来高こそ15億株を超えたものの、売買代金は8401億円と8月15日来の1兆円割れとなった。日中値幅はわずか53円の小動きにとどまった。上記の経済指標にも、中国・上海総合指数は前場上昇し、後場はプラス圏でもみ合い、インド、シンガポールが小反落した以外のアジア太平洋市場はそろって上昇した。日本株は「カヤの外」状況に・・。コマツ(6301)、ファナック(6954)など代表的中国関連株の一角が下げ、台湾勢による救済期待のシャープ(6753)は雲行きややあやしとの報道もあり、8月29日に240円まで活況裏に急反騰も、きょうは182円まで下げるなど3日続落で終了する始末。

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◆セブン&アイ(3382)が急反発した。といっても9日ぶりのことなのだから当たり前ではあるが・・。6月28日安値2252円から8月15日に09年1月以来の高値2659円を付けた後、日経平均など全般軟調展開につれ大幅に下げたのだから・・。もっとも、手掛かりはあった。3日付け日経新聞朝刊が、「セブン&アイはショッピングセンター(SC)の出店を加速する。2015年度までに現在より6割多い20店強に増やす計画」だ報じたのだ。業容拡大を期待した買いが流入した。筆者の実家のある埼玉県上尾市ではイトヨーカドーが駅前にあり来年7月には開業30周年を迎える。昭和産業の工場跡地だったところにあるのだが、すぐ傍にあったきんか堂は先年閉店しており、周辺には空き地が広がっている・・。これまで、当欄は、創業家に必要以上の遠慮をすることなしに、セブンイレブンが足踏み状態のショッピングセンター、スーパー事業をリードした形で業容拡大を続ける、との期待から投資判断「買い」としてきた。株価は、前週の下げで6月中旬以来の26週線割れとなったが、きょうはほぼ26週線水準で終了。6月時には26週線を3週連続小幅に割り込む場面があった後、上値を追っていった。今回も、26週を下値サポートラインとして踏みとどまるとなれば、中勢上昇基調が一段と鮮明になっていくと見る。

◆スマホ関連広告拡大で注目したファンコミ(2461)は7月の直近安値9.43万円を基点に上昇ピッチが急だ。きょうは12.79万円と年初来高値を更新。といっても、まだ09年夏以降の10万円を中心とした三角保ち合いのただ中にある。が、昨年3月高値15.28万円突破からもう一段上の相場が期待される。●ならば、同様にスマホ関連広告急拡大が期待されるインタスペス(2122)を7.5万円前後から打診買いしたい。極薄商い銘柄だが、7月以降、52週線に下支えされ、26週線に上値を抑えられる格好となってきたが、下値は乏しく、超薄商いのここから静かに拾っていくべきではないか。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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